特集の第3回は、パナソニックの大画面テレビ「VIERA」を紹介する。同社はプラズマテレビと液晶テレビ、両方の製品を投入しているメーカーである。
前回紹介したシャープは液晶パネルの生産メーカーだったが、今回取り上げるパナソニックはプラズマパネルの生産メーカーである。すでにパネル生産および薄型テレビ開発から撤退したパイオニアから技術や人的資源を受け継ぎ、国内唯一のプラズマパネル生産メーカーとして気を吐く。
今では液晶に対して圧倒的な性能差があるわけではないプラズマだが、自発光方式の良さ、広色域の再現性や応答速度の速さなど、画質性能はまだまだ優位にある。
消費電力が大きいことや画面の暗さなど液晶に劣る部分も多いが、現在液晶テレビが大勢を占めることになった最大の原因は、中~小画面が苦手なことだ。薄型テレビの普及の初期において、ユーザーにとってもっとも身近だった32V型のモデルを発売できなかったことが、現在の差につながったと思われる。
42V型以上の大画面はプラズマ
37V型以下の中~小画面は液晶でラインナップ
画素(正確には赤・緑・青の3つのサブピクセル)がそれぞれプラズマ発光により明滅する仕組みのプラズマテレビは、小画面化というよりも高精細化が難しい。今や37V型以上はほとんどがフルHD解像度というテレビ市場において、解像度を維持したまま小画面化しても、発光する部分が小さくなる=暗くなることを意味するので、無理に小画面を開発するメリットはない。
そういった理由もあり、パナソニックでは42V型以上をプラズマ、37V型以下は液晶でラインナップを構成している。
パナソニック「VIERA」のラインナップ | ||||
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シリーズ名 | パネル | 画面サイズ | 録画機能 | 実売価格 |
VT2 | プラズマ、3D対応 | 65V/58V/54V/50V/46V/42V | ―― | 70/57/45/32 /26/25万円前後 |
RT2B | プラズマ、3D対応 | 46V/42V | BD 内蔵HDD(500GB) |
35/32万円前後 |
V2 | プラズマ | 50V/46V/42V | ―― | 25/23/16万円前後 |
G2 | プラズマ (42V型以上) 液晶(37V型以下) |
50V/46V/42V/37V/32V | ―― | 22/18 /14/10/7.5万円前後 |
Z1 | プラズマ | 54V (50V/46Vは生産終了) |
―― | 20万円前後 |
D2 | 液晶 (LEDバックライト) ※37V型以上がフルHDパネル |
42V/37V/32V/26V/22V/19V | ―― | 18/14/12/9 /6.5/5万円前後 |
R2B | 液晶 ※37V型のみフルHDパネル |
37V/32V | BD 内蔵HDD(320GB) |
18/15万円前後 |
R2 | プラズマ (42V型以上) 液晶(37V型) |
50V/46V/42V/37V/32V/19V | 内蔵HDD(500GB、19V型のみ250GB) | 26/20/17/14 /11/6.5万円前後 |
S2 | プラズマ (42V型以上) 液晶(37V型以下) ※液晶は37V型のみフルHDパネル |
46V/42V/37V | ―― | 16/9.5/9万円前後 |
C2 (19V型はC21) |
液晶 ※1366×768ドット ※22Vと19VはLEDバックライト |
32V/22V/19V | ―― | 5.7/5/3.7万円前後 |
X2 | 液晶 ※1366×768ドット |
32V/26V | ―― | 6.5/6万円前後 |
細かく分類すれば、同じプラズマでもモデルによって使用するパネルが異なるといった差異はある。わかりやすいところでラインナップを区別すると、3Dプラズマ(VT2、RT2B)、2Dプラズマ(V2、Z1)、LED液晶(D2、C2)、従来の液晶(X2)と4つに分類でき、これ以外のラインナップは混在ということになる。
ちなみに、3D対応モデルは「T」、HDD内蔵モデルは「R」、HDD+BD内蔵モデルは「B」が型番に付く。
今回は、プラズマテレビと液晶テレビを1台ずつ取り上げる。プラズマは、HDD+BD内蔵で3Dにも対応した「TH-P42RT2B」(実売32万円前後)、液晶はLEDバックライト採用の「TH-L42D2」(同18万円前後)だ。

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