11倍モードの高画質にびっくり!?
つづいて画質・音質をチェックしてみよう。録画モードは全モデル共通で、長時間録画モードは最長で11倍。アニメ、スポーツ、映画など、ジャンル別に最適なエンコードを行なう機能もすべてのモデルが備える。
実際のところ、最長の11倍でも画質劣化は比較的少なめ。全体に解像感はややソフトになるが、ノイズは少なく、動きによる映像の乱れもうまく抑えている。
BDZ-AX2000の11倍録画画質をチェックしてみると、ちょっとしたドラマなどソースによってはBD保存用としても使える、と思うほど高画質だった。これは、エンコーダーの優秀さだけでなく、再生時の高画質化が大きく効いていると思う。
実はAX系とAT系では、同じエンコードかと疑うほどに再生画質に差があるが、これは高画質回路に違いがあるためだ。AX系が「CREAS Pro」を、AT系が「CREAS 3」を採用し、CREAS Proには階調性の再現を高める「高階調スムージング」、コントラスト感を向上する「コントラストリマスター」、「適応型超解像」など、数々の高画質回路が追加されている。
ユニークなところでは、映画などのフィルム素材に見られるノイズ“フィルムグレイン”を再現する「フィルムグレイン調整」。ビデオ撮りのような質感の足りない映像を元のフィルムらしい質感で再現するといった使い方や、圧縮ノイズを目立ちにくくして、見やすい映像に調整できる。こうした機能が盛り込まれることで、画質調整機能はかなり増えている。
数年前のBDレコで長時間録画した番組をより美しく再生する効果も期待できるので、BDレコの買い替え、グレードアップを考えているならば、AX系がおすすめだ。
AX系ではこれらの調整を細かく行なえるほか、調整内容をメモリーできる「カスタム」が2つあり、よく使う設定を複数記憶できるのが便利。
そこまで詳しく使いこなせないという人には、リビング/シアター/パワフルの「おまかせモード」があるので、それらを切り換えるだけでメーカー推奨の設定となる。このほか、液晶やプラズマなど、接続するテレビの種類による画質の切り替えも可能だ。
“超解像”はハイビジョン映像ではあまり効果がなく、DVDなどのSD画質の再生時で有効な機能と感じた。ただし、むやみに精細感を高めて不自然な映像になってしまうのではなく、ピントの合った部分の精細感だけを向上するなど、効果は巧み。そのため、ボケた遠景との対比が明瞭になり、奥行き感のある映像となる。
BDソフトなどを見た印象は、コントラスト感の高いくっきりとした映像のまとめ方ながら、ディテールの精細感、暗部の階調などもしっかりとしており、実力の高さを確認できた。BDソフトの再生画質は、ライバルもなかなか優秀で甲乙はつけがたいが、本機の場合は設定項目が細かいため、自分の好みに画質を追い込んで使いたいというこだわり派にはうれしいだろう。
音質も、低域までしっかりと伸び、映画の迫力ある音も力強く再現できる。サラウンドの空間の広がりや自在に移動する音の明瞭さなど、情報量の多い音となっている。みっちりと詰まった音質で、音楽再生などでも聴き応えは十分だ。
最新モデルで高速起動やマルチ操作など、日常的な使い勝手を大幅に向上した本機だが、こうした使いやすさはマニアにとってもありがたいところ。
そして、高画質・高音質の実力はかなりのもので、従来からの多機能と合わせてかなり総合的な実力を高めた。ホームシアターに使う高画質・高音質モデルを探している人にとっては有力な候補となるだろう。
■Amazon.co.jpで購入
この連載の記事
-
第8回
AV
最新BDレコの実力――老舗の高画質に感動!? パナ&東芝編 -
第6回
AV
日立「Wooo」&三菱「REAL」――画質、機能で驚愕の実力! -
第5回
AV
ソニー「BRAVIA」編――4倍駆動など最新技術を意欲的に搭載 -
第4回
AV
東芝「REGZA」編――半導体技術で画質&機能を極める! -
第3回
AV
パナソニック「VIERA」編――分かりやすさと画質を両立! -
第2回
AV
シャープ「AQUOS」編――自社開発液晶パネルのメリット! -
第1回
AV
エコポイント半減はスルーでいい!? 今冬のテレビの選び方 -
AV
3Dに録画機能にLED! 冬ボで買いたい最新テレビ/BDレコ - この連載の一覧へ