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3Dに録画機能にLED! 冬ボで買いたい最新テレビ/BDレコ 第1回

エコポイント半減はスルーでいい!? 今冬のテレビの選び方

2010年11月15日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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話題性は抜群でも、見たいソフトがない!? 「3Dテレビ」

ソニー「BRAVIA」の3D表示の例。右眼用と左目用の映像を交互に高速表示し、メガネ側では表示されていない方のシャッターを閉じる

ソニー「BRAVIA」の3D表示の例。右眼用と左目用の映像を交互に高速表示し、メガネ側では表示されていない方のシャッターを閉じる。基本的な仕組みはどこも同じ

 今年の一番の話題が3Dテレビの登場だろう。映画館でも人気の高い3D作品を、フルハイビジョンの高画質で3D表示できるテレビだ。今春に登場したパナソニックを皮切りに、ソニー、シャープ、東芝、三菱と主要テレビメーカーのほとんどが3Dテレビを発売している。

 話題性の点では抜群なのだが、問題となるのはコンテンツ不足。フルハイビジョンで3D映像を楽しめるブルーレイ3Dソフトもまだ数本しか発売されていない状況だ。一方で、有料放送やBS放送でサイド・バイ・サイド方式による放送もスタートしている。

 こちらは1920×1080ドットの情報の中に、右目用と左目用の映像を記録するため、水平方向の解像度が960ドットと半分になってしまうが、ブルーレイ3Dソフトの主力である映画と違い、スポーツや音楽など、さまざまなジャンルが揃っている点に注目だ。

 特に、「スカパー! HD」では、3D専門チャンネルを用意し、現在のところは加入者全員が無料で視聴できるようになっているので、3Dテレビを買ったけれども見るソフトがないと嘆いている人は検討したい。

3Dテレビはメガネのシャッター開閉と映像を同期させるための赤外線トランスミッタ―が必要。テレビに内蔵されているものもあるが、別途必要になる場合もある

3Dテレビはメガネのシャッター開閉と映像を同期させるための赤外線トランスミッタ―が必要。テレビに内蔵されているものもあるが、別途必要になる場合もある。写真はソニーのトランスミッタ―(左)と3Dメガネ(右)

 各社の3Dテレビだが、基本的には液晶シャッター方式の3Dメガネを使用し、テレビ側で左右の映像を交互に切り換えて表示する「フレームシーケンシャル方式」という点は共通(東芝のグラスレス3D方式は後述)。表示パネルは、パナソニックはプラズマ、そのほかは液晶を使っている。


ほとんどのメーカーが上位モデルで3Dに対応


パナソニック「VIERA」

パナソニック「TH-P42VT2」(実売22万円前後)

パナソニック「VIERA」の最上位画質モデルとなる「TH-P42VT2」(実売22万円前後)

パナソニック「TH-P42RT2B」(実売32万円前後)

500GB HDDとBDドライブを内蔵したパナソニック「TH-P42RT2B」(実売32万円前後)

 唯一のプラズマ3Dテレビをリリースしているパナソニック「VIERA」は「VT2」シリーズを投入(関連記事)。サイズラインナップも65V/58V/54V/50V/46V/42V型と充実している。特に46V/42V型では他社と同様に、2D映像から擬似的に3D映像を作り出す「2D3D変換機能」も盛り込まれている。またBD&HDD内蔵の「RT2B」(46V/42V型)にも3D機能を搭載してきた(関連記事)。


ソニー「BRAVIA」

ソニー「BRAVIA」の3D対応モデル「KDL-40LX900」(実売23万円前後)。トランスミッターを内蔵し、3Dメガネが2個付属

ソニー「BRAVIA」の3D対応モデル「KDL-40LX900」(実売23万円前後)。トランスミッターを内蔵し、3Dメガネが2個付属

直下型LEDバックライト採用などBRAVIAの最上位モデルとなる「KDL-46HX900」(実売41万円前後)。3Dメガネなどはオプションとなる

直下型LEDバックライト採用などBRAVIAの最上位モデルとなる「KDL-46HX900」(実売41万円前後)。3Dメガネなどはオプションとなる

3D対応モデルとしては一番低価格となる「KDL-40HX800」(実売16万5000円前後)

3D対応モデルとしては一番低価格となる「KDL-40HX800」(実売16万5000円前後)

500GB HDDとBDドライブを内蔵する「KDL-40HX80R」(実売25万円前後)

500GB HDDとBDドライブを内蔵する「KDL-40HX80R」(実売25万円前後)

 ソニー「BRAVIA」は、3Dメガネ付属の3Dモデル「LX900」(60V/52V/46V/40V型)シリーズのほか、別売の3Dメガネ&赤外線トランスミッタ―を追加して3D映像を表示できるようになる「HX900」(52V/46V型)シリーズと「HX800シリーズ」(46V/40V型)、BD&HDD内蔵の「HX80Rシリーズ」(55V/46V/40V型)を投入している(関連記事)。


シャープ「AQUOS」

シャープ「LC-40LV3」(実売28万円前後)

シャープの「AQUOSクアトロン」の3D対応モデルとなる「LC-40LV3」(実売28万円前後)

シャープ「LC-46LB3」(実売42万円前後)

シャープ「LC-46LB3」(実売42万円前後)はBDとUSB HDDへの録画に対応する

 シャープは、通常の赤・緑・青(RGB)に黄色(Y)のサブピクセルを加えた独自の「4原色液晶技術」パネルを使った「AQUOSクアトロン」において、「LV3シリーズ」(60V/52V/46V/40V型)を3Dモデルとして発売している(関連記事)。またBD録画対応モデル「LB3」(52V/46V型)も3Dに対応している(関連記事)。


東芝「REGZA」

東芝「CELL REGZA 55X2」(実売100万円前後)

東芝「CELL REGZA」 の最上位モデル「55X2」(実売100万円前後)。直下型LEDバックライト採用

東芝「CELL REGZA 46XE2」(実売60万円前後)

同じCELL REGZAでも「46XE2」(実売60万円前後)はエッジライト型バックライトを採用し、薄型となっている

東芝「42ZG1」(実売28万円前後)

東芝「LED REGZA」の最上位モデルとなる「42ZG1」(実売28万円前後)。3D対応だが3Dメガネなどは付属しない

東芝「46F1」(実売30万円前後)

LED REGZAのスタンダード3Dモデル「46F1」(実売30万円前後)。こちらも別途3Dメガネが必要

 東芝は「CELL REGZA」の最新モデル「X2」(55V型)、「XE2」(55V/46V型)に3D機能を搭載。さらに「LED REGZA ZG1」(55V/47V/42V型)「F1」(55V/46V型)も3D対応とするなどラインナップが多い(関連記事)。注目はやはりCELL REGZA 55X2だろう。ちなみにCELL REGZA以外は3D表示はオプション扱いで、別途3Dメガネを購入する必要がある。


三菱電機「REAL」

三菱電機「LCD-40MDR1」(実売30万円前後)

三菱電機の「REAL」の最上位機種となる「LCD-40MDR1」(実売30万円前後)

ちなみに75V型のレーザーテレビ「LASERVUE」(実売80万円前後)も3D対応だ

ちなみに三菱の75V型レーザーテレビ「LASERVUE」(実売80万円前後)も3D対応だ

 三菱電機はBDレコ一体型モデルの「MDR1」シリーズ(55V/46V/40V型)で3Dに対応している。日立製作所はまだ3Dテレビのラインナップがないが、「CEATEC JAPAN 2010」で参考展示を行なっており(関連記事)、もうすぐお目見えするのではないかと予想される。

まだ製品はないものの、日立製作所もCEATECで3Dテレビを参考展示していた。登場間近か!?

まだ製品はないものの、日立製作所もCEATECで3Dテレビを参考展示していた。登場間近か!?


3Dテレビは今、買いか?

 パナソニックのプラズマ方式以外、すべて液晶パネルとなるのだが、いずれも3Dメガネは各社専用のものが用意されており、互換性はない。一部、他社の3Dメガネでも見ることができたものもあるが、クロストーク(左右の映像が混ざって見えてしまうこと)が多くなるなど、3D効果が半減してしまう。

 3Dの見え方も各社によって違いがある。一番の顕著な違いは画面の明るさで、これについてはプラズマがもっとも不利で、比べてしまうと暗いと感じてしまう。液晶同士でも全体に明るい傾向のものから、コントラスト重視のものなど、違いはある。これは、2Dの画質でも各社に違いがあるのと同じ。

 3Dコンテンツが少ない現在のところでは、なかなか同じソフトを使って横並びで比較するのが難しいが、3Dテレビでもこうした画作りの違いをよくチェックすることが重要だ。

 ここでは、現時点で「3Dテレビが買いかどうか」を考えてみたい。正直に言えば、3Dソフトがもっと充実してくるまで待ちでいいと思う。ただし、画質にこだわる人のテレビ選びとして、その時点でもっとも2D画質の良いものを選ぶという選択肢で考えると、各社とも高画質テレビはほとんど3Dテレビか3D対応となっている。その点では、3Dテレビだからといって無理に敬遠する必要はないだろう。

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