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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第80回

「曲線がいいんですよ、曲線が!」 立体交差鑑賞のツボ

2010年09月28日 12時00分更新

文● 古田雄介

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深夜に立体交差周辺をぐるーっと回る

―― 撮影ルールについて、「一般道も視野に入れて探し、写真は夜に下から撮る」とサイトで説明していますね。このルールに則った実際の撮影の流れを教えてください。

デンキ まずはジャンクションを探します。昔は航空写真を使ったカーナビでチェックしていましたが、今はGoogleマップですね。それで「だいたいこのヘンだな」と検討をつけていく感じです。条件に挙げたとおり、一般道も高速もリストアップしますね。ジャンクションを見つけたら、ちゃんと立体交差が撮れるかシミュレーションして目星をつけます。やはり、カーブがしっかり見えないと嫌なので、全体的に湾岸が多くなる傾向ですね。ビルを縫って走る梅田ジャンクションはマニアの間で有名なんですが、撮影時にどうしてもビルが邪魔になってしまうので、僕は好きじゃないんですよ。

―― そして夜になったら出かけると。

デンキ そうですね。撮影自体は0時~1時という場合が多いのでそれにあわせて。ジャンクション付近に来たら停車して、そこから歩いて周囲をぐるーっと回りながら、いい撮影ポイントがあったら三脚を置いてシャッターを切っていく。周囲がひらけているとけっこう時間がかかりますが、撮れる写真も増えて20~30枚くらいになりますね。いいポイントを探しながら歩くのが楽しいんですよ。

 それで自宅に戻って、サイトに載せる写真を厳選する流れです。現地でいい景色でも、写真ではカーブが重なってなかったりして「これ面白くないな」と思うものもあるので、ここはじっくりやりますね。都会のど真ん中にあると、ここでビルが入ったりしてふるいから落ちるものが増えるんですよ。だから、ジャンクション初心者の方には湾岸から攻めることをすすめています。

サイト内の「ごあいさつ」ページで、自身の撮影ルールを解説している。夜の理由は「キレイで未来的」に撮れて「人や車も少ない」から。下から撮るのは「迫力が違う」からだ

―― そうして厳選した写真とサイトの色使いがマッチしているのも統一感があっていいですね。そこにもこだわりはありますか?

デンキ 色の統一感は出るように意識していますね。撮影するときはホワイトバランスを「電球」にしているので、全体的にちょっと青みがかるんですね。それをさらにレタッチして、空の濃紺と高架のオレンジ色が際立つようにしています。サイトではとにかく写真を見てもらいたいんですよ。なので、背景は黒一色。文字は極力少なくして、フォントの色も写真にあわせてオレンジにしています。

―― 2002年頃はHTMLの手打ちのサイトが多く、その中で一際見栄えしていました。なにかデザイン系の技術を持っていたんですか?

デンキ 特にはないですが、営業職の前は同じ会社で広告を作ったりしていていました。その経験が生きていると思う部分もあります。当時仕事でチラシを作っているときも、文字をたくさん入れ込みすぎて、上司に「誰が読むねんこんなん!」と怒られたりしましたから(笑)。

 あと、とにかく更新の手間を減らすように作ったのも、全体の統一感に一役買っていると思います。撮影に行ったらすぐにアップできるように、ベースの部分のコピーを繰り返すだけで作ったんですよ。自分がさわりやすいということは相手も見やすいだろう、というのもあるんですよね。

各立体交差ページは、サムネイルスペースを余白込みで作っている。文章が目立ちすぎるのを防ぐため、文字の大きさもほとんど変えない

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