NVIDIAは9月13日、DirectX 11対応のミドルレンジGPU「GeForce GTS 450」を発表した。GeForce GTS 450は、7月12日に発表されたGeForce GTX 460の下位に位置するGPUであるが、最新のFermiアーキテクチャをベースに、CUDA Core数を削減した新コアのGF106を採用した製品であり、DirectX 10対応のGeForce GTS 250の後継として位置づけられる。NVIDIAのDirectX 11対応製品は、ハイエンドから順に下りてきており、ようやく実売1万円台前半のミドルレンジ製品が登場したことになる。
コア数はGeForce GTX 460の約6割だが、クロックは向上
まず、GeForce GTS 450のスペックを見てみよう。上位のGeForce GTX 460とAMDのミドルレンジGPU「Radeon HD 5750」、「Radeon HD 5770」とあわせてスペック表を作成したので、比べてみたい。なお、GeForce GTX 460は、ビデオメモリ1GB版と768MB版があり、メモリ周りの仕様(インターフェイス幅やROPユニット数)が異なるが、ここでは768MB版のスペックを掲載した。同様に「Radeon HD 5750」もビデオメモリ1GBと512MB版があるが、ここではGeForce GTS 450との条件を揃えるために1GBのスペックを掲載している。
各ビデオカードの比較表 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
GPU | GeForce GTS 450 | GeForce GTX 460(768MB) | Radeon HD 5750(1GB) | Radeon HD 5770 | ||||
コードネーム | GF106 | GF104 | RV840 | RV840 | ||||
プロセスルール | 40nm | 40nm | 40nm | 40nm | ||||
シェーダバージョン | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 5.0 | ||||
DirectX対応 | 11 | 11 | 11 | 11 | ||||
シェーダ/ストリーミングプロセッサ数 | 192基 | 336基 | 720基 | 800基 | ||||
テクスチャ ユニット数 |
32基 | 56基 | 36基 | 40基 | ||||
ROPユニット数 | 16基 | 24基 | 16基 | 16基 | ||||
コアクロック | 783MHz | 675MHz | 700MHz | 850MHz | ||||
シェーダクロック | 1566MHz | 1350MHz | 700MHz | 850MHz | ||||
メモリクロック | 3608MHz相当 | 3600MHz相当 | 4.6GHz相当 | 4.8GHz相当 | ||||
メモリ種別 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | ||||
メモリインターフェイス | 128bit | 192bit | 128bit | 128bit | ||||
メモリ容量 | 1GB | 768MB | 1GB | 1GB | ||||
PCI Expressタイプ | 2.0 | 2.0 | 2.0 | 2.0 | ||||
PCIe電源タイプ | 6ピン | 6ピン+6ピン | 6ピン | 6ピン | ||||
消費電力 | 106W | 150W | 86W | 108W | ||||
実売価格 | 1万4000円前後 | 2万1000円前後 | 1万4000円前後 | 1万8000円前後 |
GeForce GTS 450のスペックを上位のGeForce GTX 460を比較すると、CUDA Coreの数が336基から192基へ、テクスチャユニットの数が56基から32基へ、ROPユニット数が24基から16基へと減っている。コアやユニットの数は約6割に削減されている計算だ。その代わり、コアクロックやシェーダ(CUDA Core)クロックは16%向上している。消費電力も150Wから106Wへと大きく減っており、必要なPCI Express電源端子もPCI Express 6ピン電源端子×2からPCI Express 6ピン電源端子×1に変更されており、容量の小さな電源ユニットでも利用できるようになった。
カード長は約21cmと短い
今回は、NVIDIAのリファレンスカードを利用したが、カードの長さは約21cmと短めなので、奥行きの短いケースでも問題なく装着できるだろう。ただし、2スロット占有タイプなので、すぐ隣のPCI Expressスロットは利用できなくなる。出力端子はDVI-Iを2系統と、Mini HDMIを備えているが、同時に出力できるのはそのうち2系統までとなる。もちろん、SLI構成にも対応する。前述したように、追加電源端子は、PCI Express 6ピン電源端子が一つのみとなっている。
(次ページへ続く)

この連載の記事
-
第431回
デジタル
Zen 4の128スレッドはどこまで強い?Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証詳報 -
第430回
デジタル
Zen 4世代で性能が爆上がり!Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証速報 -
第429回
自作PC
Core i7-14700Kのゲーム性能は前世代i9相当に!Raptor Lake-S Refreshをゲーム10本で検証 -
第428回
自作PC
ベンチで知る“第14世代”、Core i9-14900K/Core i7-14700K/Core i5-14600Kは何が変わった? -
第427回
デジタル
A620&RX 7600と+1ランク上の構成では、どちらが良いか検証してみた -
第426回
デジタル
1スロット&低消費電力で運用可能な「Radeon PRO W7500/ W7600」を試す -
第425回
デジタル
最大転送速度2000MB/s! 約1.8倍速くなったSamsungの外付けSSD -
第424回
デジタル
AMDはWQHD向けGPU「Radeon RX 7700 XT/ RX 7800 XT」で優勢を取れるか?【後編】 -
第423回
デジタル
AMDはWQHD向けGPU「Radeon RX 7700 XT/ RX 7800 XT」で優勢を取れるか?【前編】 -
第422回
自作PC
VRAM次第でゲーム性能は変わる?GeForce RTX 4060 Ti 8GB版vs16GB版で対決 -
第421回
自作PC
1TBモデルで1万円切りのWD Blue SN580 NVMe SSDが高コスパかどうかを実際に試した - この連載の一覧へ