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山谷剛史の「中国IT小話」第78回

利用ユーザー8億人時代の中国携帯電話事情

2010年08月23日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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上海の激安携帯電話市場
上海の激安携帯電話市場

 中国における携帯電話の利用者は、中国政府工業和信息化部(情報産業省)の発表によると2010年6月末の段階で、公称13億2000万人の60.5%にあたる8億535万人とされている。インターネット利用者数の4億人という数字にも驚かされたが、携帯電話に至っては8億人とさらに途方もない。しかも、まだ数億人が携帯電話を所有していない。ものすごいパイである。

 同部発の発表では各省での普及率についても触れている。100人あたりが持つ携帯電話の台数は、上海市では119.4台、北京市では114.4台であり、1人2台持つこともすこぶる珍しい状況でない地域もあれば、上海近郊への出稼ぎ労働者が多い安徽省で41.5台、西部の中心となる四川省で47台と普及率が50%を切る地区もある。ちなみにチベット自治区で48.9台、新疆ウイグル自治区で59.7台となっている。

 一方で同部が発表した固定電話に関する統計では、今年の上半期で876万7000人の利用者減となった。携帯電話の普及ゆえの減少だが、人口が多いだけに、減少人口の規模も半端ない。

大連の携帯電話市場 内陸の都市の駅付近に設置された携帯電話の広告
大連の携帯電話市場内陸の都市の駅付近に設置された携帯電話の広告

 2008年に携帯電話の普及で公衆電話もより少なくなった。ろくに公衆電話がメンテナンスされなくなったという記事を2年前に掲載したが、今はそれ以上に無人の公衆電話を見ることがなくなったわけだ(一方で出稼ぎ労働者が集まるような場所は今も有人の公衆電話が活躍中だ)。

タッチパネルの携帯電話を弄る人 タッチパネルの携帯電話を弄る人

 これだけ携帯電話の利用台数があるということは、都市部を中心に多くの利用者が利用しているということであり、中国の都市の街角では、学生から老人まで様々な人々が携帯電話を弄っているのを見ることができる。

バス内では携帯電話を使っている人が少なくない

 もっとも中国では、日本ほど車内で徹底した静かさを求めないこともあり、車内では大きめの声で通話する人がいたり、スピーカーから流れる着メロの吟味を楽しむ人もいたりする。地下鉄車内は日本ほど携帯電話を弄る乗客ばかり、なんて感じではない。

 現在中国で人気の携帯電話端末は、もちろん各人それぞれが星の数ほどある端末から選ぶため、日本の「iPhone」並にどこでも特定の端末利用者がいるといえるほどの人気の機種はない。

最近ユーザーを多く見るNokiaのケータイ「E63」(左)と「E72i」(右)

 しかし「敢えて人気機種を」と問われれば、ノキアの「E63」や「E72i」などのフルキーボードモデルの利用者を、中国各地、西南地方から東北地方まで様々なところで見かける。人気のノキアブランドに加え、フルキーボード、おまけに値段はスマートフォンほど高くないというのが人気の理由だろう。

 また「中国においてスマートフォンといえばiPhoneか、それともAndroidか」なんて質問もよくされる。Android搭載スマートフォンは、様々なメーカーから様々なデザインのものがリリースされていて、所有したところで「その機種、話題の~だね」なんて憧れの眼差しを受けることはない。しかし、iPhoneならデザインはひとつなので、持てばそれなりのステータスを表現できる。したがって、上海のビジネス街と比較的ハイソな地域を走る地下鉄2号線には、東京の電車に乗ったかと錯覚するほどにiPhoneユーザーがわんさかいる。

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