中国でPCとインターネットのキラーソフトとなったインスタントメッセンジャー「QQ」の日本語対応版がひっそりと登場した。中国発のソフトベンダー「キングソフト(金山軟件)」が日本に上陸したときや、同社がセキュリティソフトやオフィスソフトを格安で提供したときにはIT系メディアで話題になったものだが、中国のソフトウェアベンダーによる日本語版ソフト登場はもう新鮮と思われないのだろうか。
QQはWindowsに次いで中国で普及しているソフトといっても過言ではない。一般的なインターネットの使い方の本はもとより、子供向けの同様の本にも、老人向けの本にも、少なくともQQの使い方は書いてあるし、また老人向けPC教室でもQQの利用方法を教えている。
ビジネスシーンでも使われており、メールアドレスは表記していなくてもQQのアカウントナンバーが書いてある名刺もあるし、企業のオンラインサポートではQQによるサポートスタッフが常時数人待機するのが当たり前だ。
それほどメジャーなために、昨年末時点でのQQのアカウント数は9億9000万、アクティブアカウント数は5億2290万にもなり、また今年3月初旬に同時オンラインアカウント数が1億を突破した。ちなみに昨年末時点でのインターネット利用者数は3億8400万人なので、2つ以上QQのアカウントを持っている人が普通にいることを意味する。筆者の周辺でも、仕事用アカウントとプライベート用アカウントを持っている利用者がいる。
実はQQを利用し中国人とコミュニケーションをとろうとする日本人は少なくない。「QQ 日本語」で検索すれば、QQの中国語版を日本語環境でインストールするための裏技や、QQのチャット相手を募集するページが多数リストアップされる。またmixiにもQQというコミュニティがあり、(日本人を含む)QQ利用者がそこに集い、情報交換をしている。
そんな状況で登場したのがQQの日本語対応版である。正確にはQQ国際版Beta3だ。Beta1以前は英語版で、Beta2も実質英語版だった。Beta3から英語に加えて日本語とフランス語に対応したのだ。そのインストールと使い心地を紹介しよう。
インストールは簡単だがダウンロードが面倒
まずは入手方法だ。騰訊QQ(http://www.qq.com/)のサイトから、「QQ軟件」(QQソフト、http://pc.qq.com/)」のページに飛ぶ。ここが一番ごちゃごちゃし、中国語以外選択の余地がなく難しい(QQのアカウントの取得も同様に面倒だが、これについては既に多数の日本語のサイトに取得方法が解説されているのでそちらをみてほしい)。
ソフトのページが出たらペンギンマークのQQの最新バージョンと思しきリンクをクリックすると、ダウンロードが始まるわけではなく、QQの様々なバージョンの製品がダウンロードできるページに飛ぶ。そのページで「QQ国際版(QQ International)」をクリックすることで、QQ日本語対応版のダウンロードのページまでたどり着く。
インストールは、ダウンロードまでの面倒なプロセスに比べれば至極簡単だ。日本語Windowsにも普通にインストールができる。表示される日本語も、若干誤植がある程度で普通に読める。
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