このページの本文へ

シスコ、EMC、ヴイエムウェアのVirtual Computing Environmentがついに国内展開

強者3者連合がプライベートクラウド用「Vblock」を国内展開

2010年02月10日 10時30分更新

文● 金子拓郎/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

2月9日、シスコシステムズとEMCジャパン、ヴイエムウェアは、昨年米国で発表された「Virtual Computing Environment(VCE)」の日本における戦略の発表を行なった。

日本におけるVirtual Computing Environment戦略を発表する社長3名と「Vblock Infrastructure Package」の筐体。左から、シスコシステムズ アジアパシフィック アンド ジャパン社長エザード・オーバービーク(Edzard J. C. Overbeek)氏、EMCジャパン社長の諸星俊男氏、ヴイエムウェア社長の三木泰雄氏

 VCEは、シスコのサーバーやネットワーク機器、EMCのストレージ、VMwareの仮想化ソフトウェアを組み合わせた仮想化環境のオールインワンパッケージ「Vblock Infrastructure Package」の販売、プレセールスやプロフェッショナルサービス、サポート活動を3社共同で行なうというもの。「ネットワーク最大手のシスコ、ストレージのナンバーワンであるEMC、仮想化のデファクトスタンダードであるVMwareが集まった強者連合」(EMCジャパンの社長の諸星俊男氏)による、仮想化環境のワンストップサービスだ。

 仮想化環境を利用するには、ネットワーク機器やサーバー、仮想化ソフトウェアなどが必要になるが、ユーザー企業やインテグレータが自前でそろえようとすると、構築の手間がかかるだけでなく、動作検証も必要となるため負担が大きい。

仮想化環境導入の問題点

 Vblockは、仮想化環境の構築に必要なハードウェアとソフトウェアがセットになっており、動作検証も済んでいる。アプリケーションについては300種類以上、OSも24種類以上の検証が終わっているという。そのため、導入すればすぐに使える「プラグ・アンド・プレイ」環境になっているのが大きなメリットだ。

「Vblock Infrastructure Package」のメリット

 また、運用管理用のツールもVblock Infrastructure Package用のものが用意されており、3社の製品を横断的に設定できる。

専用の管理ツールで一括設定が可能に

国内での販売はパートナー経由

 VCEが対象とするのは、サービスプロバイダーなどが企業向けに提供するパブリッククラウド、また自社用に企業が構築を行なうオンプレミス型のプライベートクラウド。仮想マシンが300台程度の小規模データセンターから、数千台クラスの大企業や大規模なデータセンタがターゲットとなる。

VCEのターゲットは企業内クラウド(プライベートクラウド)と外部クラウド(パブリッククラウド)

 米国では先行して2009年11月に発表されており、この時はVblockの販売やサポート提供を行なう合弁会社「Acadia」を3社で設立するとされていた。これに対し今回の発表によれば、国内では合弁会社などは作らず、既存のパートナー各社と提携して販売を行なうという。

パートナーとエコシステムを構築

 合弁企業は作らないものの、約30名による3社合同チームを立ち上げており、3社の営業やSEが一緒になって顧客の元に赴くなど、「あたかも1つの会社、1つのグループであるように活動している」(同)という。また、EMCが神奈川県川崎市に持つ「JEC(ジャパン エンジニアリング センター)」と東京都港区にあるシスコの「CPOC(Customer Proof Of Concept:シーポック)」にVblockのファシリティを開設し、プライベートクラウド構築の検証環境を構築している。

拡張性の高い3種類のパッケージを用意

 Vblockの主要コンポーネントは、以下のとおり。

Cisco Unified Computing System(UCS)
 2009年4月に発表したばかりのシスコのブレードサーバー。FCoE(Fibre Channel over Ethernet)のサポートなど、ストレージを含めたすべてのネットワークをEthernetに統合するアーキテクチャとなっており、仮想化環境での活用を想定。ブレードである「Cisco UCS B250-M1 2 Socket, Extended Memory Blader Server」は、Xeon 5500番台を搭載し、最大384GBものメモリを搭載できる。
Xeon搭載ブレードを搭載するCisco Unified Computing System(UCS)
Cisco Nexus 1000V シリーズ スイッチ
 仮想マシン間の通信をつなぐスイッチ機能を提供するソフトウェアで、VMware ESX内で実行される。複数の物理サーバにまたがる仮想的なスイッチを構成する機能を持っており、VMotion(ライブマイグレーション)などで仮想マシンが異なる物理サーバに移動しても、通信を継続させることができる。
EMC Symmetrix V-Max、CLARiX CX4、Unified Storage
 それぞれEMCのストレージ製品。Symmetrix V-Maxは、最大容量を2ペタバイト(2048TB)まで拡張できるハイエンドストレージで、CLARiX CX4が中規模向け、Unified Storageが小規模向けとなる。
VMware vSphere 4
 「VMware Infrastructure 3」の後継となる仮想化環境構築ソフトウェア群で、VMwareでは「クラウドOS」と呼んでいる。ハイパーバイザーである「VMware ESX」、ライブマイグレーション技術の「VMware VMotion」などがセットとなっている。

規模に応じてVblock 0~2の3種類のパッケージが用意される。

規模や用途に応じた3種類のパッケージ

 もっとも大規模向けが、仮想マシン数(VM)数が3000から6000台の「Vblock 2」だ。大企業やサービスプロバイダーのニーズに応じた拡張が可能なハイエンド向けの構成で、UCSやNexus 1000V、Cisco MDS、Symmetrix V-Max、VMware vSphere 4で構成される。

 続くのが、VM数が800~3000台の「Vblock 1」で、UCSやNexus 1000V、Cisco MDS、CLARiX CX4、VMware vSphere 4から構成される。Vblock 2と比べると、ストレージの種類が変わっているわけだ。

 小規模向けに位置づけられているのが「Vblock 0」となる。UCSやNexus 1000V、Unified Storage、vSphere 4から構成される。

 それぞれ必要に応じてストレージやサーバの強化が可能で、しかも起動中のシステムをシャットダウンすることなく、無停止で拡張が行なえる。Vblock 1からVblock 2へのアップグレードも可能だ。

拡張性の高いVblock Infrastructure Package

 2月9日より発売されるのはVblock 2とVblock 1で、Vblock 0の発売は2010年中となる。それぞれ価格は非公表で、基本的には案件ごとの見積りとなる。

カテゴリートップへ

ピックアップ