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“ハイブリッドクラウド環境構築サービス”を開始

CSKシステムズのクラウド制御ソフトウェアって?

2010年02月17日 15時30分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 CSKシステムズは、同社独自の「クラウド制御ソフトウェア」を適用した“ハイブリッドクラウド環境構築サービス”の提供を開始した。

 ハイブリッドクラウドというのは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方を利用したクラウドのこと(昨年米国国立標準技術研究所が定義した「ハイブリッドクラウド」では、プライベート/パブリック/コミュニティという3つの異なるクラウドのうち、2つを混在させたクラウドのことをハイブリッドクラウドとしている)。

 具体的なサービスとしては、以下のメニューが用意されている。

クラウドIT基盤選定コンサルティングサービス
国内外の各種パブリッククラウドサービスを調査し、最適なクラウドサービス選択を支援。各種サービスを組み合わせたシステムの提案も行なう。既存システムのクラウド移行も考慮した企業システム実現を目指す。
プライベートクラウド構築サービス
商用の仮想化ソフトウェア(VMWare、Citrix Xen Serverなど)やオープンソースのソフト(Eucalyptusなど)を活用。高いセキュリティの確保と利便性を追究したIT基盤を構築する。
ハイブリッドクラウド対応システム構築サービス
CSKシステムズのJavaアプリケーション基盤「arvicio2」を活用し、認証機能やシステム連係をすることで、パブリック/プライベート/既存の顧客システムを融合させたシステムを構築するサービス。
SaaS型アプリケーション開発サービス
SaaS型のアプリケーションを迅速に開発。
ハイブリッドクラウド図

CSKシステムズのハイブリッドクラウド



サービスの要となる
クラウド制御ソフトウェア

 こうしたサービスには、CSKシステムズが2009年初頭より開発をしてきた「クラウド制御ソフトウェア」(名称は未定)が使われる。これにより、平均5日かかるサーバーの構築・設定作業を20分で完了させられるという。また、Web画面からの操作でインフラ設定も自動で行なわれ、同社比最大20%の運用コスト抑制になるという。さらに、社内の仮想サーバーと社外のパブリッククラウド環境を同時に制御する機能も備える。

 つまり、IaaSの上にクラウド制御ソフトウェアを被せた独自のPaaS環境を構築してコストダウンと効率化を図り、さらにその上に各種サービスやソフトウェアを載せてハイブリッドクラウド環境を構築しようというものだ。

 こうした新しいソフトウェアだけではなく、CSKシステムズでは独自のセキュリティチェックリストを用いてパブリッククラウドをチェックし、企業利用においての安全性を確保するという。

 CSKシステムズであれば、以前からクラウド関連の構築は関わってきたはず。なぜ今、改めてハイブリッドクラウドに関する発表をしたのか? 同社広報によれば、ハイブリッドクラウド制御ソフトウェアは他社と差別化可能なユニークなもの、としたうえで、昨年6月頃より同社Webページにてハイブリッドクラウドの呼称を用いて情報発信をしてきたが、NIST(米国国立標準技術研究所)にて用語の定義がなされたり、米国政府のクラウド対応ロードマップにハイブリッドクラウドの名称が使われるなど、言葉が浸透してきた状況もあり、さらにクラウド制御ソフトウェアの実提供が可能になったことで、今回の発表を行なったのだという。また、現在同社には顧客からもクラウド関連の問い合わせが増加しているとのことだ。

 CSKシステムズでは、企業システムのクラウド活用はハイブリッドクラウドになっていくと考えており、2012年度までにクラウド関連事業で250億円の売り上げを見込む。

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