このページの本文へ

大谷イビサのIT業界物見遊山 第120回

このままで大丈夫? 中小企業の現場を変えつつあるAIの危うさ

2026年06月07日 10時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

AIの導入で中小企業のプレゼンのレベルは確実に上がっているが……(昨年のkintone hive 広島より)

 中小企業のユーザー事例を取材すると、この1年でAIの利活用がずいぶん加速していることが体感できる。「事例に登場するようなITリテラシのそれなりにある会社」という限定条件なのかもしれないが、IT部門のみならず、経営者や現場のビジネスパーソンが、身近な相談相手としてAIを普段使いするようになっている。

 わかりやすい例が、AIで作成されているプレゼンがすごく増えたという点だ。これまで「ストーリーは面白いんだけど、プレゼンがイマイチで……」というケースは多かったが、AI作成のプレゼンで説得力が増した企業が多い。「手作り感がなくなった」という別の問題はあるとは言え、表現したいアイデアにツールが追いついた感じがする。

 一方で最近危うさを感じるのは、AIで作成されたコードをあまり躊躇なくシステムやWebサイトに取り込んでしまう例だ。外部の業者にわざわざお願いしなくても、AIがシステムにまつわる課題を解決してくれるのは、ユーザーにとっては確かに僥倖。しかし、ChatGPTで作成したコードをほいほい組み込んで、不具合が起こった際に、果たして誰がサポートしてくれるのか? エンジニア目線では不安しかない。「中小企業のAIリテラシはまだまだ」「AIは現場のアイデアが活きる手段」という前提で、AIの利活用を野放しにしていると、あとで大きなしっぺ返しを食らうのは間違いない。

文:大谷イビサ

ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
  • 角川アスキー総合研究所