コスト削減100本ノック 第22回
酸いも甘いも知り尽くした、ある会計士がExcelに行き着いた経緯
【22本目】マクロ無用!凄腕会計士のExcelとdesknet's活用
2009年11月25日 09時00分更新
desknet'sをどこで使えるのか?
さて、グローウィン・パートナーズは会計ソフトやグループウェア、Excelをどのように使っているのだろうか?
「当社のExcelの用途は、M&Aの財務調査のほかにも管理会計制度の構築支援コンサルティングにおいて、会計ソフトに仕訳データを取り込む際に、データフォーマットを整えるためと、会計ソフトに蓄積された仕訳データをエクスポートして、分析するために使います。たとえばソフトウェアやゲームなどの開発会社ではプロジェクトごとに人件費を按分する必要がありますが、このようなケースではプロジェクトの工数データと給与データを基にプロジェクト別原価の按分計算を行ないます。この結果を会計ソフトのインポート形式に整えて大量の仕訳を瞬時に取り込みます。これ以外にも立替交通費や携帯電話の通信費など、データ形式になっているものがあれば、どんどんインポート形式に変換し、仕訳として会計ソフトに取り込みます」(佐野氏)
このようにして会計ソフトに蓄積された大量かつ整理された仕訳データを、今度はエクスポートし、Excelのピボットテーブルの機能を利用して分析レポートを作成する。このようなコンサルティングの場合、クライアントとは最初からどのような分析をしたいかディスカッションしながら、仕訳入力工数の削減と、分析レポートの拡充を図っていくという。
一見こうした管理会計とほど遠い気がするグループウェアは、プロジェクトの工数管理に使う。「上場企業や上場を目指す企業では、きちんと原価計算をする必要があります。ですが、一般的にはプロジェクトごとの原価計算をやる目的だけのために、高価な工数管理ソフトなんて導入できません。そこで、グループウェアのスケジュール機能を利用してどのプロジェクトにどの程度時間を費やしたかをクライアントの社員に入力してもらい、そのデータを出力して工数按分に利用する、といったコンサルティングをしています」(佐野氏)というアイデアだ。
こうした原価や工数管理のコンサルティングのためにグローウィン・パートナーズが自らも導入・活用しているのが、ネオジャパンのdesknet'sである。「desknet'sのスケジュール機能は、期間の指定とか、部署の指定とか細かく設定でき、データが非常にきれいに出力できるんです。データの生成が簡単にならないと、このような利用方法は難しいので、非常に助かります」と佐野氏は語る。その他、価格がリーズナブルで、ASP型で提供しているのも大きなメリットだという。このほか、交通費などの立替経費精算もdesknet'sのワークフローを活用し、1ヶ月分の経費精算書と会計ソフト用の仕訳データを同時に生成するコンサルティングなども行なっている。
「会計データは簿記の仕訳だと考えるととっつきづらいのですが、データベースだと思ったら本当にいろんな活用が可能なんです。とにかくインプットを簡単にし、アウトプットを意味のあるものにできます」(佐野氏)ということで、実は高価なソフトを使わなくとも、BIのようなことはけっこうできてしまう。
お金がないからを理由とせず、あるものから試していくという新しいチャレンジ精神は学ぶべきところが大きい。
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