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コスト削減100本ノック 第40回

未開封の新古品もねらい目だ

【40本目】機器のコストを下げる中古という選択肢

2010年07月21日 09時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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ネットワーク機器の導入コストを下げたいのであれば、中古品を狙うというのも選択肢としてありだ。20年に渡って中古のネットワーク機器を扱ってきたNetwork Hardware Resale(以下、NHR)に、中古品購入のメリットや保証について話を聞いた。

ネットワーク機器のコストを下げる

 ネットワーク機器に限った話ではないが、中古品の購入は非常に大きなコストメリットが得られる。新品を購入するのに比べて、低廉な価格で製品を導入できる直接的なコスト削減手法だ。廃棄されるはずのものを再利用するという点では、エコロジー面でも望ましい方策といえる。

 今回紹介するNHRは中古ネットワーク機器の販売を手がける米国の事業者で、すでに20年の歴史を持つ老舗だ。エンドユーザーや販売パートナーからスイッチやルーターを下取り、ユーザーに対してリセールする。顧客から下取りした中古品のほか、開封すらされていない状態で市場在庫から流れてきた新古品、あるいは故障した機器を修理再生したリファービッシュ品なども低価格で顧客に提供する。同社が得意とするシスコ製品の場合、最大95%というディスカウントを行なっており、「多くの顧客が平均で72%コストをセーブしている」(同社)。また、開封すらされていない新古品でも約40%オフ、中古品では前世代の製品であれば最大80%オフが実現されているとのことだ。

同社のサイトではシスコのスイッチやルーターが格安で販売されている

 扱っているネットワーク機器はシスコを中心に、ジュニパー、エクストリーム、ファウンドリー、レッドバック、フォーステンなど幅広い。とはいえ、90%はシスコのオーダとのことで、「Catalyst 6509、3750といったスイッチ、Cisco 7200や2960といったルーターが売れ筋」(同社)で、中古市場でもその人気の高さをかいま見ることができる。現状、最新製品はもちろん、販売終了となった稀少なハードウェア、アクセサリも含め、1億ドル(120億円)規模の在庫を持っており、即日出荷できる体制を整えているという。

シンガポールにある倉庫にはシスコのスイッチやルーターがうず高く積まれている

 とはいえ、一番気になるのは、中古品がきちんと動作するのか、保証やサポートはどうなっているのか?という点であろう。中古品のイメージといえば、「すぐ壊れる」「正常に動作しない」「サポートが悪い」といったもの。実際、同社によるとアジアのなかで中古品に対する印象が一番悪いのが日本とのことで、香港やシンガポールに対して、売上は高くないのが実情だという。

 しかし、NHRでは当然こうした不安は払拭すべく、いくつものサービスメニューを持っている。出荷前には1つ1つの機器で綿密なテストと検査が行なわれるほか、すべての製品に1年間のセンドバック部品交換が標準で付けられている。壊れても翌日に部品や機材が送られてくるわけだ。サポートに関しては、CCNAやCCIEなどの資格を取得したテクニカルエンジニアが担当し、インストールや設定のトラブルシューティングも提供される。さらに「NetSure」という年中無休の24時間サポート、故障品交換サービスも用意されており、保守費を大きく抑えることが可能だ。逆にいえば、充実した保守やサポートがなければ、ワールドワイドで1万社を超える顧客は得られないだろう。

 現状、NHRは日本でのオフィスを持っておらず、シンガポールでのオペレーションになる。とはいえ、日本語のサイトも持っており、見積もり依頼やサポートなども日本語で対応できるという。「ほとんどの製品を2日間で出荷できる」(同社)とのこと。6月に行なわれたInterop Tokyo 2010でもブースを出しており、多くの顧客が関心を示していた。もちろん、NHR以外にも国内では数多くの中古品販売業者がいるので、こうしたローカルのリセラーに頼むのも手だ。

Interop Tokyo 2010で出展していたNHR。このところ毎年出展しているという

 確かに中古品に対する不安は大きいし、ベンダーとしても競合ではなく、自社製品のリセールだけにやっかいな存在ではある。しかし、世界的な不況のなか、こうしたセカンドハンズマーケットがどんどん拡大しているのは、否定できない事実だ。限られたコストでのネットワーク構築が必要だが、シスコをどうしても使いたいといった場合の奥の手として検討してはいかがだろうか?

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