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コスト削減100本ノック第45回

「口コミ効果」を狙い、条件・ノルマなしを掲げる販売代理店制度の裏

【45本目】パートナー参加でストックフォトが安くなる?

2011年02月16日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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「CPI」ブランドで幅広くホスティングを手掛けるKDDIウェブコミュニケーションズ(以下、KDDIウェブ)は、パートナーになるとソフトウェアやストックフォトが安くなるというユニークな販売代理店制度を採用している。

古典的なパートナー制度が露呈する限界

 ディスクやサーバーを提供するホスティングサービスは、価格競争も激しく、直販比率が高いところが多い。しかし、個人・SOHOであればともかく、より規模の大きい企業での導入を増やそうとすると、販売代理店の存在は欠かせなくなってくる。KDDIウェブも、古くからサーバーの再販と値引きを可能にする販売代理店制度を設立し、間接販売の強化を進めていたが、昨今スケールの限界を感じてきたという。

KDDIウェブ SMB事業本部 事業本部長 高畑哲平氏

 「パートナー制度って、メーカーからは上から10社の代理店が持ち上げられて、その代理店はメーカー側に毎年値下げ交渉をしますよね。これを長く続けるのは限界があったんです」(KDDIウェブ SMB事業本部 事業本部長 高畑哲平氏)という。確かに、販売代理店に格付けを設け、売上の高いところを優遇するという施策はよく行なわれるが、たとえば1社のパートナーがへそを曲げて競合に移ってしまうと、その売上はまるごとなくなってしまう。

 また、KDDIウェブが手掛けるようなホスティングビジネスでは、サーバー自体や事業者に愛着を感じるユーザーが少ないというのも課題であった。「サーバーはある一時期必要な設備に過ぎないんです。パートナーが本当にメリットを感じることじゃないと、距離感が縮まりません」(高畑氏)というわけだ。

ゆるく囲い込んで、口コミ効果を狙う

 そこでKDDIウェブが2010年10月に刷新した「ビジネスパートナー」で目指したのが、1販売代理店=1契約という広く浅いパートナー制度。販売ノルマなどの条件を一切廃止し、参加したユーザー同士のコミュニティ的な販売網だ。そして、これを実現するため、「情報」と「物」という2つのメリットを提供できるようにした。

 まずは単なる割り引きだけではなく、「SUPREME WEB」というセミナーやワークショップを開催する。現在9600件のパートナーのうち約7割はWeb制作に従事している事業者であるため、Web制作に関わるノウハウや技術を説明するセミナーを開催することにしたという。「さいわいWeb業界はこうしたセミナーが盛んで、向上心の高い方も多い」ということで、評判はよいようだ。

KDDIウェブのWebクリエイター向けサイトSUPREME WEB

 また、優待販売も開始した。具体的にはアドビシステムズの「Adobe Creative Suite 5 Web Premium」と「Adobe Creative Suite 5 Master Collection」の2つの統合製品を、2011年2月28日までの期間限定でビジネスパートナー特別価格で販売する。また、アマナイメージズのストックフォトも15~20%OFFで購入できるという。

 目的はパートナーとのリレーション強化だ。「もちろん、弊社には一銭も入ってきませんが、これをきっかけにサーバーを購入する時以外でも、パートナーさんが私たちのことを振り返ってくれればいいなと思います」(高畑氏)という。まずはこうした施策で、業務提携がより推進しやすくなる1万件のパートナーを目指す。そして、「最終的には口コミでKDDIウェブのサーバーを買ってもらえばいいかなと思います」というバイラルマーケットを創出したいという。

初出時、「アマナイメージズのストックフォトも15~20%で」と記載しましたが、15~20%OFFの誤りです。お詫びし、訂正させていただきます。本文は訂正済みです。(2011年2月16日)

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