いまやレガシーの通信手段とも認知されるFAXだが、多店舗展開している企業では現役で使われている。そんな現場でお勧めなのが、FAX電話機にネットワーク機能を追加することでコスト削減を実現するNECアクセステクニカ「NetSpart」である。
スキャン to メールで月9万円の通信費削減
電話回線を用いてイメージデータを送受信するFAXは、メールやWebが普及したいまでもビジネスの現場で欠かせないツールだ。特に多店舗展開している企業では、たとえば日報や業務報告を本社に送信したり、取引先と定期的に受発注の書類をやりとりしたり、といった用途で用いられている。このFAXをメールと連携させることで、コストを削減するのが、今回紹介するNECアクセステクニカの「NetSpart」である。
NetSpartを一言でいえば「コンパクトなFAX電話機にネットワーク機能を搭載した業務端末」だ。一見すると、小型な業務用FAX機だが、背面にネットワークの「口」がついている。これをブロードバンドルーターなどのLANポートと結線し、PCから設定を行なえば、メール連携の機能が利用できる。具体的には、紙文書をスキャンしてメールで送信する「スキャン to メール」、受信したメールをFAXのようにプリントアウトする「メール to プリント」、FAXを受信したら自動的にメールに添付して転送する「ファクス to メール転送」などの機能を持っている。また、パソコンとの連携により、Webブラウザからの設定や紙文書の電子化なども可能だ。
こうしたNetSpartのコンセプトについて、NECアクセステクニカ マーケティング本部 販売推進部 主任の山本 進義氏は、「メールやインターネットが主流になっても、紙媒体はなくなりませんでした。とはいえ、FAX自体は進化が止まっていて、FAX同士でしかお話しできません。そこで、メールとの連携を考えたんです」と語る。FAX機の開発体制だけではなく、同社が長年培ってきたネットワーク機器ノウハウがあったからこそ実現できた製品だという。
コスト削減の観点でいうと、やはりスキャン to メールが大きい。「FAXを送信すると電話代がかかるので、店舗が毎日本部に送るといった場合は大きなコスト負担になります。しかし、NetSpartから常時接続回線を使ってメールで送れば、通信コストは0円になります」(山本氏)という。また、受信側もメールで受け取れるので、仕分けが容易になるほか、紙の印刷費を削減することも可能になる。
簡単な試算を見てみよう。1回10円かかるFAX送信を1日3回行なう場合、100店舗では1カ月あたり約9万円かかることになる。年間では約108万円だ。印刷に関しては、1枚8円、1日4枚で換算すると、年間で約115.2万円かかる。NetSpartのメール連携機能を使えば、こうした通信・印刷コストを浮かすことが可能だ。「100店舗で4時間かかっていた送受信をほぼリアルタイムにできたアパレルさんの事例もあります」(山本氏)ということで、タイムラグの解消という副次的な効果もあるという。
このようにコスト削減という観点で、NetSpartはなかなか魅力的な製品というのがわかる。だが、単にコスト削減というだけではなく、使い勝手という点でも非常に優れた製品なのだ。
(次ページ、誰でも使えるFAX機のような使い勝手がキモ)
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