3DCGのキャラクターをマウスだけで自由に動かし、気軽に動画を作れるツールが誕生し、ニコニコ動画などの投稿サイトにはそこから生まれた動画があふれている。そのツールこそがMikuMikuDance(ミクミクダンス、以下「MMD」)だ。
MMDはその名の通り、当初は3Dで作られた「初音ミク」のCGを動かすために生まれたツール。動作の軽さと、圧倒的な分かりやすさ、さらにフリーウェアということで、瞬く間にユーザー層を拡大した。今では初音ミクというジャンルを越え、誰もが簡単に3D映像を作る事ができるツールとして広がっている。
その手軽さから日々沢山の動画が生まれ、動画の内容も「踊り」「格闘技」「ショートストーリー」「音楽PV」など多種にわたっている。半年に一度のペースで「MMD杯」という有志の動画コンテストまでもが開催され、そこではジャンルを問わず数多くのクリエイターが動画の面白さを競い合っている。
今や1つの文化として成長しているMMDの面白さや難しさをソフトの作者とユーザーという二つの立場から見るという目的のもと、MMDの制作者である「樋口」氏を初めとしたMMD関係者4名で座談会を行なった。
参加してもらったのは、プログラムの制作者である「樋口」氏、3DCGモデル制作者のあにまさ氏、動画制作者のポンポコP氏、動画制作者であり「MMD杯」の企画者でもあるかんなP氏だ。
なぜMMDが生まれたのかというきっかけから始まり、MMDがここまでクリエイターを惹きつける魅力は一体どこにあるのか、そして現在のMMD界隈の様子から未来の展望についてなど、MMDの全体像を、それぞれの立場から語ってもらった。記事を通じてMMD文化の「熱源」にふれて欲しい。