「ボーカロイドP」※1がバンドを組んでライブをやる。それが「ドキッ☆ ボカロ曲だらけの生ライブ ~Pもあるよ~」というイベント。その第2回目が9月26日、東京・芝浦のStudio Cube 326で行なわれた。
表参道FABで5月16日に行なわれた第1回目のイベントは、320人分のチケットがわずか2分で完売。今回も380人分が即日完売だった。もっと多めの動員で見積ってもいいはずだが、個人の主催では、これ以上大きなハコは押さえるのは難しいらしい。
同じボーカロイド系のライブでも、先日の「ミクFES'09(夏)」が大規模な商業イベントであったのに対し、「ドキ生」は楽曲の作り手側から生まれたイベントだ。主催者でボーカロイドPでもある、にいとPさんによると、それは宴会の雑談から始まったらしい。
「ボーカロイドマスターという音楽系同人イベントの後、ボーカロイドにゃっぽん!(ボーカロイドSNS)のオフ会がありまして、たまたま隣席したPと、ボカロPがバンドを組んでボカロ曲を演奏したら面白いんじゃないか、という話になりました」
出演はボーカロイドPの他、ニコニコ動画の「演ってみた」「歌ってみた」系のプレイヤー、シンガーばかり。動画サイトで活躍している、あの人たちの動く姿が生で見られる。普段は様々な事情で顔を出せない人たちも多く、これは滅多にない機会だ。
ライブは全体を通して、どのバンドにも暖かい声援が飛ぶ学園祭ノリで、終始アットホームな感じに包まれていた。あのkzさんがドラムを叩いていたり、オワタPがライブ初経験だったり、ブラジルに旅立つという手タレPの衣装が大変なことになっていたり、ファンには見所も多かったはず。ボーカロイドPやニコニコ動画の実演家にスポットライトが当たるイベントとして、このまま続いていって欲しいと思う。
そのライブにアゴアニキ率いるAGOBOTもやってきていた。彼らは普段からバンド活動しているのだが、本拠地が大阪のため、取材費の乏しい我々はなかなか観られない。そこでイベントの様子を見届けると同時に、楽屋にお邪魔し、こうしたイベントにのぞむボーカロイドP兼業バンドマンとして、出演者を代表してアゴアニキにお話を伺った。
※1 プロデューサーのP。ボーカロイドを使って曲を作る人のこと。
「ドキッ☆ ボカロ曲だらけの生ライブ ~Pもあるよ~」(略称「ドキ生」)
第2回 出演グループ・メンバー
- PF AUDIO - : prkr / ふゆ / きよの / nave / じろー / りなこ ▼Glasgow Clovers : baker / kz / はるよ / くだしあ / ゆうゆ / Linco ▼ 1mm♪ : ichi / Milia / 手タレP / Bumpyうるし / ぱやP / 花束P ▼Welcome☆JK : オワタP / samfree / SHUN / Re:A / 鋼兵 / yusuke / ハバネロ炒飯 ▼AGOBOT : アゴアニキ / だい / ヒトミ / はなやん ▼時空勇者タマデラス

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