DTCP-IPやHDサラウンドのビットストリーム出力をサポート
ちなみに、ソニー・コンピュータエンタテインメントでは、PS3の発売に先立ってファームウェアを「3.0」にアップデートしている。注目したいのは「DTCP-IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)」への対応だ。
DTCP-IPは著作権保護されたコンテンツを、暗号化した上でネットワークで配信する技術だ。特に日本において、このDTCP-IPの強みを発揮するのが「コピー・ワンス」あるいは「ダビング10」によって保護されたデジタル放送の番組だ。地デジチューナー付きのPC、あるいはDVD/BDレコーダーでこうした番組を録画した際、DVDやBDメディアにムーブしない限りはその機器でしか見られず不便だった。
しかしDTCP-IPに対応していれば、ネットワーク経由で地デジ番組を流し、別の機器での視聴が可能になるわけだ。
今回PS3のファームウェアのバージョンアップによってDTCP-IPに対応したことにより、同じくDTC-IP対応のDLNAサーバの地デジ番組などを再生することが可能になったわけだ。家庭内LANの内側におけるコンテンツのネットワーク再生は急速に浸透しているが、そうしたコンテンツの再生端末としてPS3は一層魅力的な存在になったと言えるだろう。
DTCP-IPはファームウェアでの対応となるため、従来のPS3でも利用可能である。ただ、ハードウェア側での対応によって実現された機能もあり、こちらは新型PS3でのみ利用できる。具体的には、「ドルビー TrueHD」及び「DTS-HD Master Audio」のビットストリーム出力、そして「HDMI CEC」(いわゆるHDMIリンク機能)への対応だ。
従来型のPS3はドルビーTrueHDとDTS-HD Master Audioのビットストリーム出力は未対応で、本体側でデコードした上で5.1/7.1chのリニアPCMとして出力していた。しかしビットストリーム出力に対応した新型PS3であれば、AVアンプ側のデコーダを使って音声を再生できる。
HDMI CECへの対応も新型PS3のポイントだ。電源のオン/オフ連動に加え、テレビのリモコンを使ってPS3のXMBを操作することもできる。特にPS3をAV系コンテンツのネットワークプレーヤーとして利用する場合、HDMI CEC対応のメリットは大きいだろう。
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