前回はauから登場した「REGZA Phone IS04」(以下IS04)をベースに、Androidスマートフォンの音楽再生環境をチェックしてみた。
特に「WinAMP」を使った無線LANによる音楽転送は快適で、なかなか使えるという印象を受けた。今回もIS04でのAndroidスマートフォンにおける動画再生機能を検証してみよう。
意外と制限がある? IS04標準の動画再生アプリ
スマートフォンでの動画再生において、最も気になるのは対応するビデオコーデックではないだろうか。たとえば「iPhone 4」の場合、MPEG-4 AVC/H.264(最高720p/30fps/Main Profile)、MPEG-4(640×480ドット、30fps、2.5Mbps以下)、Motion JPEG(720p、30fps、35Mbps以下)で、ファイルフォーマットはmp4とm4v、movをサポートしている。
これらに準拠した動画であればそのまま再生できるが、たとえばWMVなどコーデックが異なる動画の場合は変換作業が必要となる。これがかなり面倒だ。
一方、Androidの場合は若干事情が異なり、再生できるコーデックは機種や再生に利用する動画再生アプリによって異なる。そこでまず、動画や音楽を再生する マルチメディアプレーヤーとしてIS04にプレインストールされている「メディアフォルダ」を利用し、MPEG-4 AVC/H.264形式で1920×1080ドット、60fps、24Mbpsという動画ファイルを再生しようとした。ところが、「動画を再生できません」というエラーメッセージが表示され、再生できなかった。さすがにこのスペックの動画は難しいようだ。
続けて、同じ動画でビットレートを6Mbpsにまでに落としたファイルを再生してみたところ、先ほどと同じメッセージが表示されてしまい、再生できなかった。1920×1080ドットでは解像度が高すぎるのかと、720pに変換して再生してみたところ、ようやく問題なく再生することができた。
ちなみに説明書を見てみると、メディアフォルダで再生できる動画のファイル形式として今回試したH.264形式のほか、WMV、H.264、MPEG-4のそれぞれが記載されていた。
個人的に嬉しかったのは、大量にコレクションしているWMV形式の動画に対応していると書かれていること。再変換を行なうことなく、ファイルをコピーするだけで再生できるのはやはり嬉しい。
ただ、WMV形式の動画は、安定して再生できるファイルもあれば、そうでないファイルも多かった。具体的には、1280×720ドット/29.97fps/4MbpsのWMV(VC-1)形式の動画は、ぎこちない再生だったが、ビットレートを2Mbpsに落とすと正常に再生することができた。考えられるのは、4Mbpsの場合は単純にハードウェアの処理が追いつかなかったということ。
ちなみに、NTTドコモの(サムスン電子製)スマートフォン「Galaxy S」でも再生してみたところ、1920×1080ドット/60fps/24MbpsのH.264形式の動画は、IS04と同様にまったく再生できなかった。しかしIS04でスムースな再生ができなかった1280×720ドット/29.97fps/4MbpsのWMV(VC-1)形式の動画は、Galaxy S標準の動画プレーヤーである「ビデオプレーヤー」でスムースに再生することができた。このあたりは、機種によってだいぶ違いがあるようだ。

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