本連載では基本的に「店頭で衝動買いできる程度の価格帯」の製品を紹介してきた。しかし、今回紹介するのは、衝動買いにはちょっと……いや、かなり厳しい実売12万5000円前後のパイオニア「PDX-Z10」である。
別に筆者が急にブルジョワになったわけではなく、ニュースを見てあまりにも気になったため、どうしても書きたいとワガママを言わせて頂いた次第である。さらにパイオニアへの取材まで敢行している。というわけで、今回はある意味番外編だ。
イマドキの音楽再生環境にマッチした
ピュアオーディオアンプ
PDX-Z10の何が気になったのかというと、ジャンルとしてはいわゆる「ピュアオーディオ」に属する製品であるにも関わらず、iPod内の音楽の再生やネットワークへの接続が可能など、今どきの音楽再生環境にマッチした仕様になっていたからだ。
実はこのPDX-Z10の前に、iPod等への接続に対応した団塊の世代向けのスピーカー付きオーディオシステム「X-Z9」という製品が2007年にリリースされている。今回発売されたPDX-Z10は、X-Z9の流れをくみつつ、より幅広い層にアプローチするべく企画された製品である。
iPodが普及してからというもの、部屋の中で音楽を聴くときは、パソコンに接続されたスピーカーでHDDに保存された音楽ファイルを聴くようになったという人は多いのではないだろうか。iPodに音楽を転送するためには、まずパソコンに取り込む必要がある。そうすると、自然とパソコンの中に大量の音楽が蓄積され、CDをいちいち入れ替えなければならないコンポやCDラジカセより、ダブルクリックで再生できるパソコンの方が便利というわけだ。
こうした時流を捉えて、高級志向のパソコン用スピーカーも色々と登場しているが、音楽をしっかり楽しみたい時にはいいアンプといいスピーカーの組み合わせを使いたいもの。PDX-Z10はそんなワガママに100%応えてくれる製品だ。
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