パイオニアから、同社AVアンプラインナップのエントリー機種が発表された。7ch対応の「VSA-920」(定価8万4000円の予定)「VSA-1020」(同10万8000円)と5ch対応の「VSX-820」(同4万9800円)の3機種。いずれも6月中旬発売予定。
全機種ともHDMI 1.4a対応で、3D信号のパススルーが可能。ただしARC(オーディオリターンチャンネル)には非対応となる。また920と1020はHDMI信号のスケーリングが可能となった。720pと1080iで入力されたHDMI信号を1080pにアップスケーリング/IP変換することもできる。
iPhone/iPod touchを傾けることで
音の微調整が行なえる
920と1020はiPhone/iPod touch用の専用アプリケーション「iControlAV」を使って、ワイヤレス(無線LAN)コントロールすることが可能となった。ボリューム調整や入力切り替え、サラウンドモードの変更といった基本操作ができるほか、独自のジッター除去音声伝送技術「PQLS」の微調整も行なえる。
面白いのはiPhone/iPod touchのバランスセンサーを利用して、本体を傾けることで音場を調整したり、セリフや低音強調の調整が行なえること。直観的な操作が可能だ。
そのほか、iControlAVは同社のBlu-ray Disc プレーヤー(BDP-LX53/330)の操作にも対応。このアプリはiTunes Storeから無償でダウンロードできる。
記事掲載当初、iControlAVが他社BDプレーヤーにも対応するような記述がありましたが誤りでした。お詫びして訂正いたします(2010年4月20日)
BluetoothやUSBなど多彩な接続方法
全機種オプションのBluetoohアダプターを使って、Bluetooth対応携帯電話やPC、ポータブルオーディオプレーヤーなどの音楽をワイヤレスで受信できる。
これは従来通りなのだが、新機種では「Sound Retriever AIR」という高音質化技術により、Bluetoothで伝送された楽曲を補正(圧縮時に失われるイントネーションとボリューム感の復元とノイズの低減)する。これにより、よりきれいで迫力のある音声を聴くことができる。
iPhone/iPod touchとのUSBによる接続は全機種が対応する。この際AVアンプのリモコンでiPhone/iPod touchを操作できるほか、同梱の「USB with Video」ケーブルを使えばドックが不要で映像の出力も可能となる。なお、iPhone/iPod touchとはデジタル接続となる。
そのほか、920と1020はインターネットラジオの受信も可能。24局のプリセットが可能だ。
「Dolby Pro Logic IIz」に対応
サラウンドについては、全機種ともフロントLRの上方(ハイト)にさらに2chを追加する「Dolby Pro Logic IIz」(関連記事)に対応するほか、920と1020はオリジナルサラウンドモードとして、前方の動き感をより効果的にする「ワイドサラウンド Movie」と、前方の広がり感を効果的にする「ワイドサラウンド Music」が追加された。
さらにアドバンズドサラウンドモードに「ハイトモード」「ワイドモード」が加わったほか、ハイトスピーカーがなくても疑似的に高さ方向の音場を再現する「バーチャルハイト」、リヤスピーカーがなくても疑似的に背面の音場を演出する「バーチャルサラウンドバック」といったモードが追加されている。
