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Interop Tokyo 2009 レポート第1回

IPv4アドレス枯渇に対しての回答を提示するShowNet

2009年06月04日 09時00分更新

文● あきみち 写真●森田兼次

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6月10日から12日、毎年恒例のネットワーク総合イベント「Interop Tokyo 2009」の展示会が開催される。今年の注目テーマの1つが、2010年には枯渇すると予想されるIPv4アドレスだ。人気ブログ「Geekなぺーじ」のあきみち氏が、最先端の機器を利用してIPv4アドレス枯渇対策とIPv6ネットワーク構築を試みるInterop Tokyo 2009 ShowNet NOCチームの方々に話を聞いた。

ウォーキングツアーなどの参加者で常時にぎわっていた2008年のShowNet のNOCブース

最新機器を相互接続するShowNet

 ShowNetは、Interopのために構築されるライブネットワークである。幕張メッセ内に構築されたこのShowNetは独自のAS番号を持ち、国内9カ所へ合計131Gbpsという超広帯域で接続される先進的なネットワークだ。

 IPv4アドレスの枯渇とIPv6への移行は、昨年に引き続きShowNetの大きなテーマであり、そのテーマに沿った最新機器の運用が公開された形で行なわれる。

ShowNetに導入されるラージスケールNAT

 IPv4アドレスが枯渇した瞬間にインターネット全体が停止するわけではないが、新規ネットワーク構築が困難になるなど、さまざまな弊害が発生することが予想されている。IPv4アドレスに対する解決策としてもっとも有力なのがIPv6である。しかし、世界中が同時にIPv6へと移行するのは現実的ではないため、IPv4もアドレスを節約しながら引き続き利用され続ける

 スムーズなIPv6への移行のために、IPv4アドレスを節約しながら利用し続ける手法として現在注目されているのがISP全体でNATを行なうラージスケールNATである。現在NATといえば企業や家庭の入り口で行なうものであるが、ラージスケールNATはISPがユーザーにアドレスを渡す時点でNATをしてしまうというものである。ラージスケールNATを利用すると、ISPはIPv4グローバルアドレスではなく、IPv4プライベートアドレスを配布するようになるため、IPv4アドレスの利用が大きく節約できるのだ。

ShowNet NOCメンバーであるNTTコミュニケーションズの宍倉弘祐氏

 ラージスケールNATは昨年も利用されたが、今年のShowNetでは違った形で利用されるという。昨年と今年でなにが違うのか。この点についてShowNet NOCメンバーの宍倉弘祐氏は、「今年は、ラージスケールNATを外部接続の直前に設置し、同じISPのユーザー同士はプライベートアドレスとグローバルアドレスで直接通信できる方式にチャレンジします」とする。

 昨年のShowNet構成では、ユーザー収容の直後でプライベートアドレスへの変換を行なっていた。その方式と違いとして宍倉氏は「ShowNet内ではグローバルアドレスとプライベートアドレスを同時にルーティングしてしまう形です。当然この時、プライベートアドレスの経路が外部にもれないように注意しなければなりません」と解説する。

 「グローバルアドレスとプライベートアドレスを同時にルーティング」とは何だろうか?昨年と今年の違いを図にしてみた。まず、以下が去年の構成である。

昨年のShowNetの構成

 去年のこの構成では、同じShowNet内でありながら、グローバルIPアドレスを利用する出展社とプライベートIPアドレスを利用する出展社が通信を行なうには一度NATを通過する必要があった。

 これに対して今年の構成では、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレス間での通信を行なう時でも、NATを通過する必要がなくなった。これは、ラージスケールNATの下位に位置しているルータと、グローバルIPアドレス空間のルータが同一バックボーンネットワークに接続しているために実現できている。

今年のShowNetの構成

 この方式は、同じISPのユーザー同士が通信する時にNATを二度経由することを考慮せずに済む構成といえる。

(次ページ、「ShowNetの試行錯誤と副産物」に続く)


 

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