データセンターにおけるサーバとストレージの集約化は、ネットワークにおける大きな課題だ。単に高速な伝送を行なえばよいだけではなく、集積密度、信頼性、消費電力、遅延、ケーブリングなど、意外といろんなことを考えなければならない。こうしたデータセンター向けのスイッチは、今回のInteropでも大きなテーマである。
トップ・オブ・ラックのスイッチとは?
昨今、サーバやストレージはデータセンターに集中する傾向にある。信頼性やセキュリティが高く、電力や空調などの設備に恵まれたデータセンターにサーバやストレージを設置するのは、ハウス栽培と同じで、理にかなったことである。
こうした中、データセンターのラック内でサーバやストレージを束ねる専用のアグリーゲーション(集約型)スイッチが最近相次いで発表されている。こうしたスイッチは、ラック内の最上位に配置されることから「トップ・オブ・ラックのスイッチ」と呼ばれる。
複数のサーバを束ねるトップ・オブ・ラック製品の要件としては、伝送能力とポートの集積密度が高いこと、サーバ・ストレージ両者の接続に対応できること、遅延に対してシビアであること、消費電力が低いこと、などが挙げられる。こうした要件から5Uや7Uのシャーシ型スイッチよりも、むしろ1Uラックマウント筐体に大量のギガビットポートを搭載したボックス型スイッチのほうが、こうしたトップ・オブ・ラックのスイッチとしてふさわしいようだ。トップ・オブ・ラックのスイッチは、昨年発表されたシスコシステムズの「Cisco Catalyst 4900M」を皮切りに次々と登場しており、会場でも有力な対抗馬がいくつも見られた。
ブロケードはFCoEスイッチとEthernetスイッチの両展開
ブロケード システムズ コミュニケーションズ(以下、ブロケード)は、FC(FibreChannel)スイッチと旧ファウンドリーのEthernetスイッチ、そしてEthernetとFCを統合したFCoE(FC over Ethernet)スイッチなどを揃って展示した。FC、Ethernet合わせてここまで全面展開できるベンダーは今のところシスコとブロケード以外見あたらない。
ブースのラックのトップに設置されたのが、同社初のFCoE/CEE対応スイッチ「Brocade 8000」だ。Brocade 8000はFCをEthernetにカプセル化するFCoEとパケットロスや遅延にシビアなCEE(Converged Enhanced Ethernet)を取り込んだスイッチで、24の10GbpsのCEEポート、8つのFCポートを搭載する。同社はCNA(Converged Network Adaptor)というサーバ側のインターフェイスアダプタも展示しており、FCoE/CEEへの取り組みをアピールした。
Brocade 8000の配下には、サーバの集約用の10GbEスイッチ「Brocade FastIron EdgeX」と、ストレージ集約用の8Gbps FC対応スイッチ「Brocade 300」を接続。台数は少ないものの、サーバやストレージの統合ソリューションが展開されていた。
10GbEも8Gbps FCは、光ファイバのインターフェイスは両者ともSFP+となっており、まぎらわしい。とはいえ、TWINAXという2芯同軸ケーブルも用意されており、短距離であれば簡単に利用できる。
(次ページ、「10GbEでつなげるものをつなげてみた日立電線」に続く)
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