3DMark Vantege
ここからは、3D性能におけるCPUの違いを見ていこう。まずは定番のベンチマーク「3DMark Vantege」だ。テストは「Performance」と「Extreme」を実行した。 X4 955BEに対してX4 905eはやや劣るものの、クロック差を考えると健闘している。ただExtremeになるとGPUボトルネックが生じ、その結果、CPU間の差は全くなくなってしまう。つまり、ATI Radeon HD 4770程度のグラフィックスカードで、重い処理が必要となる場合、CPUによる差は出にくく、ゲームパフォーマンスを考えるならもう少し上のグラフィックスカードを用意した方がいい、もっと端的に言えば3D性能の向上を図るなら、CPUよりもGPU選びが大事ということである。
ラストレムナント ベンチマーク
実際のゲームではどうだろうか。というわけで、ラストレムナントのベンチマークツールを使ってテストを行ったのが、下のグラフだ。3DMark Vantageで見たように解像度1280×1024ドット以降では差が全くなくなってしまうため、解像度1024×768ドットに注目してみると、X4 905e、X3 705e、X2 550BEの3者はかなり拮抗している。ラストレムナントで採用されている、Unreal Engine 3.0はある程度マルチコアへの最適化が進んでいるが、4コアと3コアの差はほとんどなく、2コアに対して若干有利な程度。CPUコア数とクロックと天秤にかけた場合、ゲームタイトルによってCPU間の差が出にくいということは覚えておく必要がある。
Far Cry 2
ラストレムナントより重いゲームということで、Far Cry 2のベンチマークモードでも計測行った。設定はDX10モードにて、グラフィックスオプションを「VeryHigh」としている。こちらのタイトルはラストレムナントほど、マルチコアへの最適化はされていないのだが、その分、CPUクロックが効くタイトルだ。
グラフ結果もそれを反映し、3.1GHzのX2 550BEがX4 955BEに迫る結果を残している。ただ3GHzのX2 250は、L3キャッシュのないハンデのためか、他のCPUに比べてかなり遅れをとる結果となった。ラストレムナントの結果と合わせて考えると、ゲーム用途ならX4 955BEを選ばずともX2 550BEで全く問題なく遊べると言える。逆にCPUクロックの劣るX4 905e、X3 705eでは、ゲームタイトルによってはX2 550BEより体感でも1ランク下がるくらいのパフォーマンスダウンが想定される。
(次ページへ続く)
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