本連載では、竹島愼一郎氏が提唱するインパクト抜群の「1枚企画書」をPowerPointで作る手順を全5回で紹介します。社会人になったらWordやExcelだけでなくPowerPointも使いこなせなくては、社内や取引先でのプレゼンに勝ち抜けません。しかし、ただ単に企画書をPowerPointで再現しただけでは、印象に残るプレゼンにはほど遠く、居眠りを誘う会議になってしまうことでしょう。
「1枚企画書」の最終回として、本書が出版に至った企画書の実例を含む、「プレゼン力の高い企画書」を3種類ご紹介します。実際の成功事例を踏まえてPowerPointをフル活用すれば、皆さんの仕事もきっと成功に近づくはずです。
※本記事は「ビジネス極意シリーズ パワポで極める1枚企画書」から一部抜粋し、編集・再構成したものです。
Table of Contents
- プレ企画書1――飽和市場の「新商品企画書」
- ■ 作成ポイント――カプセル型のタイトルスペースの描き方
- プレ企画書2――企業の社会貢献を宣言した「ミッション遂行型企画書」
- ■ 作成ポイント――水の入ったタンクの描き方
- 完全企画書――本書もこれを作成して生まれた「1枚企画書」の企画書
第1回の「1枚企画書をすすめる3つの理由」はこちらを参照。
第2回の「発想や論理をアリ・ゾウで理解」はこちらを参照。
第3回の「パターン別実例で「1枚企画書」を掌握――提案書3題」はこちらを参照。
第4回の「プッシュ型提案書で通せ――「1枚企画書」パターン実例3題」はこちらを参照。
次回からは「5枚プレゼン」を4月6日頃に掲載予定。
プレ企画書 No.1
P(問題)+S(解決)=問題解決型
アイデア重視と起業の促進を図る
組織改革の提案企画書
硬直した企業体質を変えるには、その根本にある問題点の洗い出しから始める。つぎにそれを解決する方策をあらゆる面から検討し、最終的には1つのコンセプトに落とし込む。
このコンセプトが明確になることで、そのあとの具体案の方向性も定まってくる。コンセプトは、関わるすべての人に周知徹底させるという効果もある。
企画の特徴
組織としての停滞の原因はどこにあるのか、どうしたらそれを解決できるのか、という組織改革について考えた企画案です。左上の「問題点」の洗い出しが、現在置かれているS(情況)です。
それを克服するにはどうすればいいかを示したのが右側の「組織改革の必要性」で、こちらがV(見解)です。SVのタイプは《P(問題)+S(解決)=問題解決型》ということになります。
そうして考え出されたのが「信賞必達」制度を導入すべきだ、ということで、これがC(中核概念)です。ミッション(使命)のことをよく「必達目標」という言い方をしますが、「信賞必達」とは「信賞必罰」をもじったコンセプトワードです。
そのコンセプトのI(具体案)が、最下段の左の「インセンティブ」です。これは「動機づけ」や「誘因」という意味ですが、ここでは「奨励策」です。ちなみに同様の言葉に「モチベーション」がありますが、こちらは「やる気の喚起」と捉えるとわかりやすいでしょう。
右側の「実施計画」が新しい制度のP(計画)です。
(次ページ、「この企画書の『見せ方のポイント』&『カプセル型タイトル』の描き方」に続く)
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