このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

パワポで極める「ビジネス極意」 第6回

「1枚でなければ、5枚!」良い企画書の条件

2009年04月06日 06時00分更新

文● 竹島愼一郎

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

パワポで極める5枚プレゼン

R

http://ascii.asciimw.jp/pb/ant/biz-gokui/ppp/

 本連載では、「1枚企画書」に続いて竹島愼一郎氏が提唱する「5枚プレゼン」をPowerPointで実践する手順を全5回で紹介します。即断即決を可能にするのが先週までに紹介した「1枚企画書」ですが、プランニングの王道はやはり複数枚の企画書です。ただし枚数は5枚に限定するというのが秘中の秘策です。

 初回は、5枚プレゼンのコンセプトと複数枚の企画書特有のレイアウトについてレクチャーします。


本記事は「ビジネス極意シリーズ パワポで極める5枚プレゼン」から一部抜粋し、編集・再構成したものです。


1 必要最小限で完結する
…… 5枚プレゼン

 「企画書の枚数が増えて困る」という意見をよく聞きます。

 たしかに企画で考えたことを網羅すると、際限なく長いものになってしまいます。なかには大企画だと主張したいがために数十枚もの企画書を上げてくる人もいます。

 このページに掲載したのは「ビジネス極意シリーズ パワポで極める5枚プレゼン」の事例のひとつですが、5枚で完結しています。それは作成した結果5枚になったのではなく、最初に構図を決め、それぞれの紙に明確な役割を割り振ったから5枚に収まったのです。英語の「SVOC」構文よろしく、構造から企画を考えて提案する方法を「5枚プレゼン」と名づけました。


2 中心になるものが明確
…… コンセプト発想

 つぎによく聞く意見は「企画書を書くとき、どこから取りかかればいいのかわからない」というものです。

 企画書というのは1ページ目からはじまり、最後のページで終わりますが、それはプレゼンの話であって、作成の順番ではありません。「5枚プレゼン」では「たったひと言で表わされる何か」から取りかかり、これを中心に据えて、その前後を固めていきます。その中心をコンセプトといい、右の企画書例では3枚目に盛り込まれています。

 コンセプトを中心に据えると、1枚のなかでの表現が明確に打ち出せるだけでなく、複数枚の展開法も締まって見えます。美しいロジックはきれいな形を求めるのです。


3 見た瞬間、引き寄せられる
…… 企画書デザイン

 最後の意見は「企画はできているのに形にするのが苦手だ」というものです。

 企画の提案とはロジックですが、その対象は商品であれサービスであれ「具体的に表わされる何か」です。そしてそれらはすべてイメージとして描くことができます。たとえば上記サンプルの3枚目でいうとボトルがあって、ラベルに何か描かれていて、ネーミング案を特別な書体で見せています。全体を通して見てもイメージに統一感があり、5枚で何かを強く印象づけようとしているのがわかります。

 企画書というのは内容はもちろん重要ですが、見せた瞬間「おお」とどよめくようなものでなくてはいけません。なぜなら企画とはいまだ実現されていない未来を先取りするものであり、当然、時代を洞察する企画者にも、またそのツール=企画書にもそれなりのセンスが求められるからです。

 「パワポで極める5枚プレゼン」の書籍では、一般のビジネスパーソンの目にはほとんど触れることのないプロの「企画書デザイン」33例を掲げ、その考え方と見せ方を解説してあります(本連載ではその中からいくつかを第3回より順次掲載予定)。

 書籍に収められた事例はベーシックなパターンを網羅しています。ただし「商品の開発企画」をしようという場合でも「商品の開発企画」の事例だけでなく、いろんなバリエーション(色や形を含めて)にあたってみるというのが秘訣です。

 大切なことはひとつのパターンにあてはめることではなく、いろんな可能性があると知ることです。それによってインスピレーションが広がり、いずれそうしたパターンを離れて、自由に企画を発想できるようになります。

 この連載をご覧になって、「5枚プレゼン」というものに興味を抱かれた方は、ぜひ書籍を手にとっていろんなパターンにあたり、企画書のイメージを蓄積されることをお勧めします。


前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ