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【LinuxWorld Expo/Tokyo 2002レポート】(その8) United Linux記者発表

2002年06月01日 18時24分更新

文● 編集部

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先日発表された、米Caldera Internationl、ブラジルConectiva、独SuSE、米Turbolinuxによる「United Linux」について、5月31日に「LinuxWorld Expo/Tokyo 2002」で記者発表が行なわれた。

最初に、カルデラ(株)代表取締役社長 麻生誠氏が、「United Linux」の概要を紹介した。

カルデラ(株)代表取締役社長 麻生誠氏
カルデラ(株)代表取締役社長 麻生誠氏

麻生氏によると、新団体である「United Linux」は、ビジネス向けのLinuxディストリビューション開発、動作検証を行なう有限会社のような形で設立され、4社の開発部門を一元化するような組織になるという。具体的には、知的財産権の管理やブランドの所有、技術企画などの業務を行なうとしており、4社は従業員や役員を提供することになる。そのため、4社は今後、ディストリビューションである『United Linux』ソフトウェアに独自の付加価値やサポートをバンドルし販売を行なうことになる。

『United Linux』ソフトウェアは、カーネルだけでなく標準的なアプリケーションを含んだディストリビューションとして開発される。仕様の詳細については、先日のプレスリリース以上のことは明らかにされなかったが、記者発表後に麻生氏に質問した限りでは、RPMベースのディストリビューションになるようだ。カーネルについては、現在ブラジルConnectivaのMarcelo Tosatti氏がメンテナンスしている2.4系列になるであろうとのことだ。また、「United Linux」自体はこの『United Linux』ソフトウェアのバイナリを一般に提供することはないといい、FTP版バイナリについても4社それぞれから提供される形になるという。

製品ロードマップについては、2002年第2四半期中にアルファ版のテストが開始され、第3四半期にベータ版が提供される予定だ。最初の製品出荷開始は2002年第4四半期となっており、2003年第3四半期~第4四半期には『United Linux 2.0』をリリースする予定だという。

引き続き、ターボリナックス ジャパン(株)代表取締役社長 矢野広一氏が、「United Linux」が目指すものと、その結果生じるであろうメリットを説明した。

ターボリナックス ジャパン(株)代表取締役社長 矢野広一氏
ターボリナックス ジャパン(株)代表取締役社長 矢野広一氏

矢野氏は、「United Linux」はすでに1年近い準備期間を経て設立されており、4社の一時的な協業ではなく、長期的で具体的なプランであるとした。その上で、『United Linux』ソフトウェアが目指すものがあくまで「eビジネスLinux」であることを強調、オープンソースのシステムというよりは、商用アプリケーションを用いたミッションクリティカルな領域での使用を想定していると説明した。

また、「United Linux」が目指すものとして、Standardize(標準化)とLocalize(最適化)の両立を挙げた。具体的には、『United Linux』ソフトウェアはLSBやLi18nuxなどの標準に適合したディストリビューションとして提供されるが、それを販売、サポートする4社がそれぞれに付加価値を加えることで最適化を目指すという。

また、製品評価版のリリース次期にも触れ、この夏までには評価版をリリースしたいと語った。

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