9月1日、レーザーファイブ株式会社設立および「LASER5 Linux 6.0」発売の記者発表が行なわれた。
すでにお伝えしたように、五橋研究所は、Red Hatとの契約を打ち切りし独自のディストリビューション「LASER5 Linux 6.0」をリリースしていくことになっている。
「LASER5 Linux 6.0」は「redhat Linux 6.0日本語版」として開発されて来たもので、99%コンパチブルとされているが、違いは名前が「redhat Linux 6.0日本語版」でないことと、Red Hatのシャドーマンマークがないことぐらいで、現在最終テストの段階だという。
「LASER5 Linux 6.0」のリリースは9月17日。サポート付きのバージョンが12,800円、サポート無しバージョンが6,800円で販売される。どちらも商用のソフトウェアは含まれており、このほかに、雑誌等に添付するための商用ソフトウェアを含まないバージョンもリリースされる。
「LASER5 Linux 6.0」のパッケージデザイン。Linuxは世界の財産ということで、左上のマークは地球を意味しているという。 |
基本スペックは以下のとおり。
- Linuxカーネル: 2.2.5
- 基本ライブラリ: Glibc 2.1.1
- X Window System: XFree86 3.3.3.1-XTT
- デスクトップ環境: GNOME 1.0.11 KDE1.1.1(日本語パッチ適用済み、メッセージカタログ日本語化済み)
- 開発環境: qgcs 1.1.2 qt 1.44 gtk+ 1.22(日本語パッチ適用済み)
- VFATパッチ適応済み
「LASER5 Linux 6.0β」の画面 |
日本語化されたパッケージとしては以下のものがある。
- ブラウザ、メーラ: 「Netscape Communicator 4.51(J)」
- 画像処理: 「GIMP 1.02」
- エディタ: 「KEdit 1.1.1」、「GEdit 0.5.4」
- 表計算: 「Gnumeric 0.26」
- ファイルマネージャ: 「KFM(KDE's File Manager)」、「GMC(GNUMidnight Commander)」
商用ソフトウェアとしては以下のものが添付される。これらは、雑誌添付版には含まれない。
- 日本語フォント「DynaFont」 5種類(他にも、フリーの日本語フォント80種類)
- 日本語かな漢字変換「ATOK12 SE」、「Wnn6」
- 英日辞書引きソフト「研究社新英和・和英中辞典」、「eWnn Ver.1.0 for Linux」
- 日本語ワードプロセッサ「一太郎Ark TM」、「Dp/NOTE(体験版)」
- マルチブート「System Commander 4 Lite」
- セキュリティ「F-SECURE SSH1、SSH2」、「Roxen Challenger」(168bit暗号)、「Phoenix Adaptive Firewall」
- ウィルス対策「F-SECURE Anti-Virus 」、「Sophos Anti-Virus」
- 3Dモデラ、レンダラ「BLENDER」
- バックアップソフト「BRU」
「redhat Linux 6.0日本語版」からの主要な変更点は以下のようなもの。
- マルチCPU(SMP)対応
- 完全なソフトウェアRAID対応
- 幅広い周辺機器への対応(ハードウェアRAID、UPS、DAT、VIDEO)
- 複数ファイルシステム対応
サポートは「90日間、3インシデント、インストールからX Window Systemが立ち上がるまで」というもので、「もし動作しない場合は、購入から30日以内なら返品も可能」という。また、オプションで、インターネット接続、センドバック、出張サポートも用意される。
さらに10月上旬には「LASER5 Linux for Alpha」の発売も予定されている。これはCompaqの協力により開発されたAlpha版で、Intel版の「日本語redhat Linux 6.0 Server Edition」に相当するものとなる。Server Editionには、セキュリティを考慮し、サーバとして必要なツールやメニューが添付されている。また、Server Editionについても、次のバージョンでは「LASER5 Linux Server Edition」となる。
今後の「LASER5 Linux」だが「RedHatというソフトウェア自体は高く評価しているので、RedHatとのコンパチビリティもちろん、日本語処理機能、そしてサポートのみならずソリューションの提供と言った面も充実させていく」とのことだ。
サポートの強化については詳しい話を聞くことはできなかったが、「ユーザーのためのFAQの整備といったことも手掛けていきたい」ということだった。なお「redhat Linux」(6.0まで)のサポートは今後も継続していく。