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デジタル化の破壊的イノベーションとは?

池田信夫が語る、「ムーアの法則」と日本の経済(前編)

2007年12月21日 11時15分更新

文● 松本佳代子、語り●池田信夫

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何が日本のケータイ業界をダメにしたか


 IPでつながるということは、基本的に国境はなくなるということです。最初からオリンピックのようなグローバルな競争になります。

 日本ではテレビまで付いた高機能なケータイが1万円くらいで手に入りますが、これはキャリアーが小売店に「販売奨励金」を払って差額を補填しているからです。実際に海外で売ったら8~9万円はします。海外の携帯電話は安いものでは1台50ドル(約5500円)くらいで売られているのに、こんなに高い端末を買う人はいないでしょう。

 ケータイ業界ではゼネコン構造が温存されているために、利益はわずかでも確実に収入が得られる仕組みになっています。端末の仕様はケータイ事業者(キャリアー)が考えて、メーカーはその仕様に沿った製品を作るだけです。日本メーカーは、端末の開発費として1機種あたり100~150億円もかけている。海外メーカーのGSM端末では50億円かけることはないし、普通は30億円程度らしいですね。

 日本ではこの開発費を全てケータイ事業者が負担します。さらに、端末全数を買い取るので端末メーカーには在庫リスクもない。その代わり、端末の値段はケータイ事業者が自由に決めて、赤字の出ないギリギリの線まで買い叩きます。端末メーカーは確実に利益を出せる代わりに、「薄く狭く」しか儲けられない。そして国際競争力を失う結果になった。

 海外、とくにヨーロッパでは、ケータイ事業者と端末メーカーは完全に分離されています。ノキアの端末は電気屋で家電と同じように売っているから、世界中に同じ端末を売れます。ロットの大きさが日本メーカーとは一桁、二桁ぐらい違います。

 日本のケータイ市場は世界シェアの9%しかないのに端末メーカーは11社もあって、ノキアは1社で世界シェアの34%も取っています。全然、勝負にならないんです。

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