内容を作成するときはロジックツリーが有効
■ロジックツリーと視覚化
さて、プレゼン内容を構築するときの技術としてロジックツリーがあります。これは思考の過程において、その論理展開の有り様を樹形図に表現して考える思考技術です。
ロジックツリーを作成するときは、左側にテーマを作ります。そして、そのテーマに対する解決方法を、上位から下位へ分岐させながら必要なソリューションを求めていきます。その際同じレベルでの分岐は2~3程度、多くても5つ程度にするのがよいとされています。いきなり何十種類にも分けてしまうと、内容が把握しづらく、モレやダブリを検証することが困難となるのです。
最初は白板などを利用して、ポストイットに項目を書いて樹形図を作り、整合性が保てなくなったら、位置を張り替えたり、不足した項目を追加するなどして、ロジックツリーを作成していくといいでしょう。
では、たとえば客先にASP(Application Service Provider)サービス導入をプレゼンするためのプレゼン内容を検討するために、ロジックツリーを利用するとします(図1参照)。この例の場合は、プレゼンをするときの全体テーマを「ASPサービス導入のメリット」として、そのメリットの根拠となるものを2点(低コスト、どこでもアクセス)挙げます。さらに、この2点についてのメリットの要因を細分化して考えていきます。そして最後に顧客にとっての具体的なソリューションを挙げていきます。
いよいよプレゼンテーション! 発表の際の表現力を身に付けるには
■「ゴーゴーサバンナの法則」
さて、事前に資料は揃えたらいよいよプレゼン当日に臨むわけですが、内容を発表するときには表情や声の抑揚、ボディランゲージ、アイ・コンタクトなどを意識しましょう。また、プレゼン資料はできるだけ図表を入れて視覚的に訴えることが効果的です。文字や言葉だけではなく、図表などを使用することによって、相手の興味をひく、記憶にとどめる、理解を助けるなどが容易にできるからです。また、時間の節約にもなります。
コミュニケーションにおいて、話し手が聞き手に与える影響が見た目や、声によるところが大きいという研究結果があるのです(ゴーゴーサバンナの法則、第4回『SEのためのキャリアデザイン』参照)。
一方的に自分がしゃべって終わり、にならないように
■双方向性
プレゼンは、自分からの一方的な発表にならないよう配慮することも大切です。一方的に自分がしゃべって終わってしまうと、聞き手への手応えが実感できず、次の展開につなげることが難しくなります。
工夫として、たとえば相手先から「プレゼン時間は60分」と言われた場合、発表時間は45分にして、あとの15 分は質問の時間にあててみて下さい。また、相手から質問が出た場合は、「今のご質問は、○○○ということでよろしいですね?」とオウム返しのように相手の質問を復唱することもポイントです。相手の質問が、自分が理解していることと離れていないかを確認する意味もありますし、周囲の人が、相手の質問が聞き取れなかった場合の助けにもなるからです。
さらに、事前にどんな質問が出るかを想定して、トレーニングしておくのもいいでしょう。相手の立場に立って、質問内容を考えることができれば、より効果的なソリューションを提供することにつながるかもしれません。
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