![]() |
---|
年功序列社会が崩壊し、1円起業が恒常化した現在、「起業」という働き方への注目が高まっています。SEとして、会社に残るのも一つの道ですが、起業という選択肢もあるのです。では、どうすれば起業できるのか。起業したその先は何を目指していけばいいのか。本連載では、SEのための起業成功法について、考えていきます。
リスクマネジメントとは、良好な航海のための技術と手法
「起業にリスクはつきもの」とよく言われます。なんとなく頭の中でイメージしていても、具体的にリスクの種類と内容がすぐに浮かばないのではないでしょうか?
そこで今回は、起業家にとってのリスクとは何か、リスクを回避するためにはどうしたらよいのかを考えていきたいと思います。
まず「リスク」という言葉ですが、語源は「絶壁の間を船で進む」という意味であり、もともとは航海術における危機回避を指していたようです。つまり船を操縦するスキルに長けることや、海図や羅針盤を駆使しながらコントロールしていくというイメージなのでしょう。
次に「マネジメント」ですが、一般的には操縦、経営、管理をするという意味ですが、口語として「折り合いをつけてなんとかやっていく」という意味もあるそうです。どんな相手とも、なるべくうまく付き合っていくように創意工夫をするという、そんなイメージでしょうか。
企業経営は航海と同じようなものです。そもそも経営自体が未来という大海原へ船出をすることであり、未来は予測不可能なことの連続です。それをさまざまな技術や手法によって、不確実なことを確実なことに転換し乗り越えていく、それが「リスクマネジメント」と言えます。
起業家にとってのリスクとは?
さて、起業家にとってのリスクの種類にはどういったものがあるか、改めて考えてみましょう。
●取引先や得意先倒産のリスク
起業した当初は、一般的に資金が潤沢にあるとは言えません。したがって、得意先や取引先などの企業が倒産した場合には、大きな影響を受けやすく、連鎖倒産につながる恐れがあります。
●運転資金不足のリスク
起業家が新規事業に参入する時期には、自社の体力以上の過大な投資をしてしまうことがあります。成長が鈍化したときに、急に運転資金が悪化する危険があります。
●従業員の不正によるリスク
従業員の不正によって企業が倒産に追い込まれるケースあります。個人情報の流出、社内資料の流出など、従業員管理への甘さが経営危機につながります。
では、これらのリスクの種類に対して、どうマネジメントしていったらいいかを考えていきましょう。

この連載の記事
- 第13回 最終回 人に認められたい…… 頑張りすぎる人のためのメンタルヘルス
- 第12回 第12回 リスクマネジメント Part2 「損する企業」のビジネススタイル
- 第10回 第10回 SNS運営の起業家へ転身! 事例からみる起業成功法
- 第9回 第9回 誰でも必ず上達する! 勝てるプレゼン技術とは
- 第8回 第8回 起業家に必要な人脈とは? 緩やかにつながり、メリットばかりを求めないことがポイント
- 第7回 第7回 起業家として、人の信頼を得る心得 簡単にできるコミュニケーションスキルアップ
- 第6回 第6回 起業に必要な「発想力」を鍛える! “レモン”や“メガマック”の柔軟性を養おう
- 第5回 第5回 結局“1円起業”も甘くはない 資金調達の上手い・下手は明暗を分ける
- 第4回 第4回 起業に必須の書類作成 自分も相手も納得できる事業計画書作成のツボとは
- 第3回 第3回 新会社法施行後の新発想 独立形態の選択は、起業の成否を分ける
- この連載の一覧へ