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だがそれがいい:

スマホどうぶつの森が地獄でした

2017年11月30日 13時30分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 家電アスキーの盛田 諒(34)です、こんにちは。今年2月に赤ちゃんが生まれ育児連載などをやっている父親ビギナーです。家事と育児と仕事でクタクタになった体と心がここではないどこかを求め日夜インターネットをさまよっています。

 徘徊先の1つとして、11月21日に任天堂が配信したスマホゲーム「どうぶつの森ポケットキャンプ」(ポケ森)にも手を出したのですが、1週間経って段々つらくなってきました。なぜかと考えるとポケ森の本質は仕事だからです。一日の大半を営業行為に費やすことになり、仕事と仕事の合間に仕事をしている感覚になります。やがて人生の地獄を味わっているような気分になってきました。

 ポケ森の主人公=プレイヤーは自営業者、言葉を話すどうぶつたちが集まる自治体=森でキャンプ場を管理運営する個人事業主です。家はなく小さなキャンピングカーに住んでいます。キャンピングカーやキャンプ場には家具がほぼありません。設備投資をしようにもお金(現地通貨=ベル)はほとんどありません。要するに身ひとつで出てきてしまったわけです。詳しいことはわかりませんが事情があったのでしょう。ちなみにアメリカ南部に住む保守的な貧困層のことをレッドネックと言いますが、トレーラーハウスに住んでいるというのがステレオタイプです。

 お金のない主人公に経済活動をすすめるのが役所職員のしずえさんです。

 原則は仕入れと営業。森では果物、魚介類、昆虫などが自由に収穫・採集できるようになっています。フィンランドにある「自然享受権」(誰でも公共の森に入って自由に果実やキノコを収穫してもよいとする権利)に似た権利を自治体として来訪者に認めているのでしょう。主人公はしずえさんに言われるまま資源を仕入れてどうぶつに営業し、キャンプ場の設備を作るためのお金と材料を調達します。

 仕入れと営業というと難しく感じますが、実際はとても簡単で楽しいです。

 仕入れは川で魚を釣ったり、虫取り網でチョウを捕まえたり、木からりんごを落して拾ったりでアクティビティ感覚。営業もどうぶつたちが「おねがい」として求める品物を手渡すだけ。遊びながら仕事をするような感覚です。ただ雑談をしているだけでお金や材料をくれることさえあります。ときには手渡した品を使い、川魚の炉端焼きに誘ってくれたり、貝殻で一緒にアクセサリー作りをしようと誘ってくれたり、友だちのように付き合ってくれます。とても楽しい時間です。

 お金と材料がたまったら、自治体唯一の家具職人に設備や施設を発注したり、自動車改装業者に依頼してキャンピングカーを改装します。どうぶつたちをお客さんにするために必要な投資です。主人公が営業を重ねることで信用を得られるようになると、どうぶつたちは「キャンプ場にコレがあったら行くんだけどな」と要望を伝えてくれるようになります。設備投資をした後に「いいキャンプ場ができたので遊びにきませんか」と誘うと、どうぶつたちは喜んで滞在してくれます。

 どうぶつたちは基本的にみんな初めて会う主人公に優しく、気持ちのいいやりとりをしてくれます。あまったお金と材料で自分の好きな家具も作れます。プレイを進めると「キャンパーレベル」が上がり、作れる家具も増えていきます。森の中では主人公と同じ立場の人々(ほかのゲームプレイヤー)と出会い、キャンプ場に「いいね!」をつけてもらうSNSのような喜びもあります。ツイッターで自分のキャンプ場を紹介するプレイヤーも多く、SNS映えするキャンプ場を作る楽しみもあります。こんなに楽しいことばかりでいいのかというくらい充実した生活を送れます。リゾートで遊び半分のバイトをしているような気持ちになります。

 しかしそれは最初だけでした。

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