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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 ― 第1回

アップルがiPhoneデザインを模倣されても黙っているワケ 新連載「アップル時評」の読み方

2018年06月29日 10時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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 ASCII.jpでは長らく「西海岸から見る"it"トレンド」という連載を担当しておりますが、今回新たにアップルに関する連載をとのことで、あまり製品ニュースに寄らない、小難しい背景やその周辺の話題を、わかりやすく解説していこうと思っています。

 題して「アップル時評」です。

アップルは世の中をシンプルにしてきた

 筆者は2011年から米国カリフォルニア州、バークレーという都市に住んでいるのは前掲の連載でもご案内の通りです。既に7年間住んでいますが、この期間の米国におけるスマートフォンの活躍はめざましいものがありました。

 日本では2000年以来のケータイ革命を経験し、それがスマートフォンに緩やかに移行するタイミングで日本を出て、米国に渡りました。日本のように優れたケータイがなかった米国では、スマートフォンがモバイル革命の先導者となりました。

 ケータイ世代の筆者としては、日本でケータイ革命、米国でスマホ革命を経験することができる、またとない幸運に恵まれたのです。そして米国のスマホ革命の方が、インパクトが大きかった。

 日本の都市には既に優秀なあらゆるインフラが整っていました。銀行のATMもコンビニ行けばすぐに見つかるし、そもそもコンビニで24時間買い物ができるのです。電車もバスも頻繁に時間通りにやってくるし、タクシーだって捕まる。これらはすべて、日本の外では当たり前ではなかったのです。

 そうした生活に便利なインフラが存在しなかったのが米国の都市であり、その解決手段として活用されたのがスマートフォンとそのアプリだったのです。スマホを駆使して日本の便利さに追いついた。そう言われれば、米国で2011年からの5年間に何が起きたのか、そのインパクトのほどが伝わるのではないか、と思います。

 米国でのiPhoneのシェアは約4〜5割。グローバルでは15%しか取れていないiPhoneは、本国でも半分程度の勢力です。しかしその勢力以上に、アップルの動静はスマートフォン業界、シリコンバレー、あるいは米国の一般の人々から最も注目されています。

 企業や大学、政治家、アクティビストは、いかにアップルのiPhoneを巻き込んで、自分たちの活動に注目を集め、また未来へとコマを進めるかを考えています。またアップルも、世の中の様々なものごとを、シンプルであるべき姿にしようと考えています。

 アップルがこれほどまでに影響力を拡大したことには驚かされますが、それは昔から繰り返してきたことでもありました。

 アップルが得意とするデザインを例に、アップルがどういう存在なのか、もう少し掘り下げましょう。

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