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VR空間でVRデバイスをかぶるアドベンチャーゲーム:

VRでVRをかぶるヤバさが面白い Oculus Goおすすめアプリ「Virtual Virtual Reality」

2018年06月04日 17時30分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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バーチャルバーチャルリアリティ(Virtual Virtual Reality)
価格990円(6月4日時点)
発売中
Tender Claws

https://www.oculus.com/experiences/go/1389161184521528/
VR空間内でVRデバイスを装着して冒険するというコンセプトのアドベンチャーゲーム。主人公はAIクライアントにデータを提供する労働人間エージェントとして識別番号で管理され、VR世界で労働することになるのだが……。

 VRにくわしい友だちに「Oculus Goのおすすめアプリどれ?」とたずねたところ教えてくれたゲーム。実際めちゃくちゃおもしろかった。

 世界観は不気味なSF。プレーヤーはナビゲーターAI「チャズ」の指示にしたがってVR空間内でロクでもない仕事(アホらしい無意味なシミュレーション)をさせられるが、ある人物の干渉によって脱出のチャンスがあたえられるという筋書きだ。仕事の内容は「バターの依頼でこんがり焼けたトーストをバターに塗りつける」など、ナンセンスなものばかり。かわいたユーモアがたまらない。

 物語だけでなく操作性もよくできている。たとえばチュートリアルでは「VR空間内でジョウロをつかんで持ちあげ、テーブルにある観葉植物に水を注いで」という指示がある。プレーヤーはOculus Goコントローラーの前面ボタンをタップしてジョウロをつかみ、タッチパネルを繰って前後左右に動かし、コントローラーをかたむけて水を注ぐ。ジョウロを観葉植物の鉢にぶつけて倒さないようにするには精緻な操作が必要で、悪戦苦闘しているうち世界観に入りこんでしまう。

 とてもおもしろいのは、VR空間にあるVR空間というメタ構造のため、VR空間でVRデバイスを脱ぐことで「元の場所に戻った」ような錯覚に陥り、本来のホーム画面がどこなのか一瞬わからなってしまうこと。夢の中で夢を見ているような感覚だ。映画『インセプション』や『マトリックス』のような不気味さを感じながら、VRとAIのある世界で生きていくことの意味を考えさせられることになる。

 価格は990円と安いものではないが、映画1本に匹敵するおもしろさがある。はじめてインストールする有料アプリにはちょうどよさそうだ。

 余談ながら、だれかに「ちょっとOculus Goを試させて」と言われたとき、ジェットコースターやホラーゲームをすすめるのはやめたほうがいい。VR酔いをしたり、いたずらに怖い思いをしたりで、いやな気持ちが残りかねない。

 ちなみに知り合いによれば「Thetaで子どもの360度動画を撮ってOculus Goで見るのもおすすめ」とのことだ。わが家の赤ちゃんは最近ひざにのせるとのりもの図鑑を読み聞かせしてくれるから撮っておくとかわいい予感だ。いつか子どもが成長したとき、それこそVR空間から抜けられなくなりそうな気もする。



書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。赤ちゃんの父をやっています。育児コラム「男子育休に入る」連載。Facebookでおたより募集中

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