飛んでるドローンを追尾して電気を送る。レーザー給電がSFすぎる
ドローンの飛行時間が短すぎる問題
老朽化した橋や送電線の点検、災害現場の確認、山間部への配送など、ドローンの活用が増えてきた。人が行きにくい場所にも飛んでいけるし、人を送り込むよりも効率的だ。ただ、ボトルネックになるのが電力だ。長く飛ばそうとバッテリーを増やせば、そのぶん機体は重くなり、荷物やセンサーを載せる余裕が減ってしまう。
それなら、飛んでるドローンにワイヤレス給電すればいいじゃん。と、SFのような「レーザー無線給電」を開発しているのが、東京科学大学発スタートアップの株式会社SolaNikaだ。
飛んでいるドローンを、レーザーで追いかける
仕組みはシンプルだ。ドローン側に、レーザー光を電気に変換する軽量な受電用PVモジュールを載せて、地上からレーザーを当てれば、飛行中でも電力を受け取れる。固定された受電先ならここまででいい。
ただ、ドローンは止まってくれない。風に流されたり、向きを変えたり、高度を変えたりする。そのたびに受光部も動く。そこでSolaNikaが力を入れているのが、動くドローンを追いかける技術だ。
AIによるリアルタイム画像解析で機体を捉え、3次元で位置を追跡。さらに動きを予測しながら、受光部へレーザーを照射し続ける。まるで、ミサイルのレーザー追尾システムのようだ。
実用化への課題は、安全に追い続けること
同社は送電効率20%以上を達成したと発表しているが、実証・社会実装までには、もうひとつ重要な課題がある。高出力のレーザーを屋外で使うための安全性だ。受光部から外れたときにどう止めるのか、人やほかの物体が間に入ったらどうするのか――といった安全面も含めて、実環境でどこまで安定して給電できるかが次の検証ポイントだ。
SolaNikaは2026年中に、レーザー無線給電を使って移動するドローンを長時間浮揚させる実証を予定している。その先に目指すのは、成層圏を長時間飛ぶHAPS、さらには月面探査ローバーへの給電だ。
月面のロボットをレーザーで給電するのはまだSFのような話だけれど、目の前のドローンへ給電する未来は、意外とすぐにやってきそうだ。
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