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「思い込みで、人の人生を決めていいのか」PeopleXが挑むAI時代の人事再設計

上司も気づかなかった「原石」を見つける。評価支援AIシリーズ3製品を発表

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このスタートアップに聞きたい

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 「AI面接」、「AIロープレ」、「AI面談」といったサービスをこれまで展開してきた株式会社PeopleX。2026年6月には新たに人材評価を行う3製品を発表し、人事評価領域へ本格参入を表明した。なぜ同社は、給与や昇格、配属といった企業の最もセンシティブな領域でのAI活用に踏み込むのか。PeopleX代表取締役CEOの橘大地氏に聞いた。

話したことのない社員の人生を決めている

 「評価者として震えます。自分でもわからないんですよ」――PeopleX代表取締役CEOの橘大地氏はそう語る。

 PeopleXは2026年6月3日、新たに人材評価領域へ参入することを発表した(参照)。スキルを客観的に評価する「PeopleX AIスキルインテリジェンス」、顧客からの評価を分析する「PeopleX AI顧客評価」、上司や同僚、部下からのフィードバックを分析する「PeopleX AI 360」の3製品を投入し、給与や昇格、配属といった人事の意思決定を支援する。

今後の評価支援のイメージ

 「AI面接」や「AIロープレ」、「AI面談」を展開してきた同社にとって、評価領域への参入は新たな挑戦に見える。しかし橘氏によれば、むしろ今回こそが創業当初から目指していた「本丸」だという。

 その原点は、自身が経営者として感じた強い違和感だ。橘氏は弁護士としてキャリアをスタートし、その後電子契約サービスであるクラウドサインの事業責任者として事業を牽引。組織が拡大する中で、約400人規模の社員を抱える立場になったという。

 しかし、社員が増えれば増えるほど、人事評価に対する葛藤も大きくなった。

「400人もいると、話したことのない部下もいます。でも、その人の給与や配属、昇格を決めるわけです。本当にこれで正しいのかとずっと思っていました」

 企業にとって人事評価は日常業務のひとつだ。しかし、評価される側にとっては人生を左右する出来事でもある。橘氏自身も、弁護士の経験から労働紛争の重さや難しさも知っている。

 「この人は顧客からどう評価されているのか。チームからどう思われているのか。そういう情報が見えたら、もっと納得感のある判断ができたはずなんです」

 採用も同じだ。書類選考や1時間の面接だけで、その人の能力や適性を見極めるのは難しい。入社後の1on1も、多くの企業では月に30分程度しか時間を確保できない。人を理解することが重要だとわかっていても、現実には時間も情報も圧倒的に足りていない。

 「すべてのマネージャーや管理職が同じ悩みを抱えていると思います。だから、その人たちを救いたいんです」

 PeopleXの事業は、そうした問題意識から始まった。

AI面接の先に見えた「評価」という本丸

 PeopleXは創業以来、「AI面接」「AIロープレ」「AI面談」という3つのサービスを展開してきた。「AI面接」は採用の入口を担う。「AIロープレ」は営業や管理職の育成を支援する。「AI面談」は1on1やキャリア面談、配属面談などをサポートする。これらは、橘氏の中では最初から一本の線でつながっていた。

「人をどう採るか、人をどう育てるか、人をどう活躍させるか。その延長線上に評価があります」

 採用だけでは成功とは言えない。企業が本当に知りたいのは、「採用した人が活躍するかどうか」だ。ところが、採用時に高く評価された人が必ずしも成果を出すとは限らない。一方で、面接では目立たなかった人材が組織の中核になることもある。

 「AI面接だけをやっていても、本当の意味で良い採用はできません。実際に活躍している社員を分析しないと、その会社に合う人材はわからないからです」

 例えば、企業が求人票で「コミュニケーション能力の高い人材」を求めていたとしても、実際に成果を出している社員を分析すると、必ずしもそうではないケースもある。社内の評価データや面談内容、育成の履歴を分析すると、その会社独自の成功パターンが見えてくる。

 AI面接では採用候補者を、AIロープレではスキルを、AI面談では入社後の成長や変化を分析してきた。採用から育成まで、人を多面的に理解するためのデータやノウハウが蓄積されたことで、その会社で活躍する人材の特徴も見えるようになった。

 こうした分析を続ける中で、ある確信を得たという。

 「お客様から『本当に多面的にスタッフのことを知ることができた』という声をいただくようになりました。私たちの価値は、客観的かつ公平に人を判断できることなんだと気づいたんです」

 その延長線上にあるのが今回の評価領域への参入だ。

 「人を評価するときに、何によって評価されるべきなのか。それを考え続けた結果、この3つのサービスになりました」橘氏はそう振り返る。

評価支援AIシリーズの位置づけ

【AIは何を見て人を評価するのか(次ページ)】

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