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「即レス文化」は生産性を下げる。チャットの波から抜け出す大切さ

特集
世界に挑むICTスタートアップリーグ 成功への道

 SlackやChatworkなどのビジネスチャットツールは即レスが当たり前。しかし、返信に追われて自分の作業に集中できず、かえって生産性が落ちることも。令和5年度のICTスタートアップリーグに採択されている株式会社ZenmetryのCEO 長友好江氏は、コロナ禍の在宅勤務でひっきりなしに届くメッセージへの対応に追われ、業務が追い付かなくなった結果、前職をやめることになってしまったそう。この経験から生まれたのがチャット最適化ツール「Zenmetry」だ。特徴は大量のメッセージからAIが即レスしたほうがいいものを選んでくれること。即レスが習慣になっていると大事な作業中や就業時間外でも通知があればつい対応したくなるが、通知が減ることで仕事や生活にメリハリがつけられる。

 長友氏が目指すのは、ビジネス版の「こんまり」。モノの価値に優先順位をつけるお片づけ術が海外でブームになったように、日本人の感性によるチャット整理術も欧米人の心をつかめるかもしれない。過度な即レスは送る側も受け取る側にもストレスになる。企業文化や人によって最適な通知や返信のペースは違うので、相手のペースを読んで最適な返信のタイミングを教えてくれるAI機能ができたらコミュニケーションが楽になりそうだ。

文:スタートアップ研究部

ASCII STARTUP編集部で発足した、スタートアップに関連する研究チーム。起業家やスタートアップ、支援者たちの活動から、気になる取り組み、また成長・成功するためのノウハウやヒントを探求している。この連載では、総務省のICTスタートアップリーグの取り組みからそれらをピックアップしていく。

※ICTスタートアップリーグとは?

ICTスタートアップリーグは、総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機として2023年度からスタートした官民一体の取り組み。支援とともに競争の場を提供し、採択企業がライバルとして切磋琢磨し合うことで成長を促し、世界で活躍する企業が輩出されることを目指している。
https://ict.startupleague.go.jp/

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