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「これぞ本物のホログラム!」スゴイけど使い道がよくわからない立体映像技術について考える

特集
世界に挑むICTスタートアップリーグ 成功への道

 この春、完全リモートワークから一部出社が始まった当編集部。同僚たちの“立体感”に久しぶりに安心した。「やっぱり直接会うと違うよな」と心の中で思いながらも、ふと、SF映画みたいにホログラム映像で会えたらリモートでも問題ないんじゃないかと考えた。

 そんな未来を想像しつつ、そういえばと思い出したのが株式会社ブライトボックスの「brightvox 3D」だ。この全方位立体視ディスプレイは、どの角度から見ても完全な立体映像を再現するという。イベントの空間演出や展示会などではすでに使われているが、現在は立体ビデオ通話システムの開発にも取り組んでいるらしい。

 例えば、自宅にいながらこの技術を使って会議をすれば、表情やジェスチャーまでもリアルに伝わり、オンラインコミュニケーションの質が変わるだろう。かつて「Zoom疲れ」という言葉が流行したが、この技術でその状況を変える未来が訪れるかもしれない。

 ただ、日本の先端技術は「すごい!」と注目される一方で、実用化のアイデア不足で「出落ち」となってしまうことも少なくない。「brightvox 3D」も単なる「おもしろい技術」扱いに留まるのはあまりにも惜しい。将来的には、教育や医療の現場にも応用できる可能性は十分にある。研究開発が止まることなく、その可能性が大きく花開く日が訪れることを願いたい。

文:スタートアップ研究部

ASCII STARTUP編集部で発足した、スタートアップに関連する研究チーム。起業家やスタートアップ、支援者たちの活動から、気になる取り組み、また成長・成功するためのノウハウやヒントを探求している。この連載では、総務省のICTスタートアップリーグの取り組みからそれらをピックアップしていく。

※ICTスタートアップリーグとは?

ICTスタートアップリーグは、総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機として2023年度からスタートした官民一体の取り組み。支援とともに競争の場を提供し、採択企業がライバルとして切磋琢磨し合うことで成長を促し、世界で活躍する企業が輩出されることを目指している。
https://ict.startupleague.go.jp/

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