名古屋市と株式会社DIIIGによるエッジAIカメラ、デジタルサイネージ、GPSトラッカー、デジタルマップを連携した金山総合駅賑わいづくり実証実験を実施
株式会社DIIIG
次世代の地域情報発信:デジタルマップ×動画コンテンツで滞在時間2倍に
デジタルマップ作成ツール「DIIIGのデジタルマップ」を開発・提供する株式会社DIIIG(本社:神戸市、代表取締役社長:秋國寛、以下「DIIIG」)は、名古屋市と、2024年7月17日~8月4日の間、金山総合駅においてデジタルマップとデジタルサイネージを連携させた情報発信の金山総合駅賑わいづくりの実証実験を実施いたしました。
本実証実験について
◼︎ 実施背景
名古屋市では、金山駅周辺地区エリアの都市再整備計画を立てており、本実証実験は、課題として上がっている以下の解決方法を探るものとして実施されました。
- 交通結節点としてのポテンシャルがあるものの乗換客や来街者の行動範囲は広がりに乏しく、都市機能の効果的な集積によるにぎわい・交流の発展、回遊性向上に取り組む必要がある。
- 鉄道により地域が南北に分断されているため、地元団体や住民が一体となった取組みを進め、地域間の連携の強化を図る必要がある。
参考資料:金山駅の目標を定量化する指標
金山駅乗降客数 377,691人/日
イベント開催数 203日/年
(出典:愛知県名古屋市 都市再生整備計画(第 1 回変更) 金山駅周辺地区 より)
https://www.city.nagoya.jp/jutakutoshi/page/0000165688.html
◼︎実証実験の概要
今回の実証実験では、金山駅周辺地区エリアの駅などのスポット(配置3パターン、同時設置最大5ヶ所※1)に顔認識カメラ(エッジAIカメラ)付きデジタルサイネージを設置することで、駅利用者のまちへの誘導および地域の回遊性向上につながるかどうかを検証しました。設置したデジタルサイネージでは、中期的な情報配信と短期的な情報配信を行い、利用者の行動データの調査・分析をしました。
開催期間:2024年7月17日~8月2日、8月3日、8月4日(7月27日、28日除く)
日数計 :17日
開催目的:顔認識カメラがついたデジタルサイネージを利用し、デジタルコンテンツの情報発信による利用者の行動データの取得・調査を行う
検証内容:デジタルサイネージを設置することで人々は気がつくか、興味を持つか。また駅利用者のまちへの誘導および地域の回遊性向上につながるか。
ターゲット:JR金山駅、名鉄金山駅を下車後、地下鉄金山駅を利用し、名古屋市役所や栄に向かう30-40歳代の子持ちの父と母
※1 連絡通路橋12台、連絡通路橋6台+6台、連絡通路橋4台+各会場(4ヶ所×2台)
◼︎実施内容
1. 顔認識カメラ付きデジタルサイネージの設置と、イベント紹介などのコンテンツ配信
(画像提供:ファンテック株式会社)
デジタルサイネージに顔認識カメラを設け、イベント紹介などのコンテンツを配信し効果を測定しました。
デジタルサイネージと顔認識カメラの組み合わせで、サイネージを見た対象者の、時間、性別、年代などを取得し、効果検証を行いました。
2. 御神輿の位置情報と生中継映像を1セットとした情報配信システム
2024年8月3日・8月4日に実施された金山まつりにおいて、御神輿の練り歩きをデジタルマップGPSログとYouTube(デジタルサイネージのみ配信)を通じ、現在地の情報をデジタルサイネージ上で紹介しました。
金山まつり当日 デジタルサイネージ及びデジタルマップ 実施概要 イメージ図
3. タイムラインシステムによる即時コンテンツ反映
金山まつりイベント会場各所にいるアンバサダーが、その場で撮影した写真とメッセージを瞬時にデジタルサイネージに反映するタイムラインシステムを導入しました。
イベント会場各所にいる投稿者がその場で撮影した写真とメッセージが瞬時にデジタルサイネージに反映するタイムラインシステムイメージ図
実証実験の結果
顔認識カメラから取得した分析結果より、人々はデジタルサイネージに気づいており、8.8%のユーザーに対してリーチできることがわかりました。
デジタルサイネージの前を通り、デジタルサイネージを閲覧したユーザー
曜日によっての閲覧数は大きな変化は見受けられず、設置場所の変更などによってアクセス数の増加がありました。デジタルサイネージの前を通り過ぎた方を含んだ時間別のデータ分析より、通勤通学の時間帯よりも、日中の時間の方がデジタルサイネージの顔画像の認識の比率が高く、閲覧率が高くなる結果となりました。
デジタルサイネージの閲覧時間
御神輿とタイムラインのコンテンツ閲覧率は平均に比べて高い結果が!
短期的・中期的に見ても、デジタルサイネージは閲覧者の行動変容につながっている結果が得られました。また、閲覧率と閲覧時間を見ると御神輿とタイムラインの数値が非常に高く、番組として成り立つコンテンツはしっかりと立ち止まり、閲覧していると推測されます。
サイネージの分析と対象を20-40歳に絞りNPSで10の取得をしていたユーザーのWebアンケート回答結果より、行動変容につながるデジタルサイネージのコンテンツで有用なものは、リアルタイム情報、イベント情報、ユーザーが作る情報が有用であると考えられます。
配信コンテンツと視聴数について
コンテンツ閲覧率とコンテンツごとの閲覧時間
今回の取り組みについて
金山総合駅はJR東海道線と中央線、名鉄線、名古屋市営地下鉄の名城線と名港線の3事業者5路線が乗り入れ、また名古屋市営バスとの乗り換え拠点ともなる一大交通結節点です。交通結節点であるが故に利用者の流動の多くが乗り換えで完結し、駅から街への人の流れや街の中での回遊が課題となっていました。
今回の社会実験は、金山総合駅周辺の複数の会場で開催される「金山まつり」に合わせ、総合駅および各会場に設置したデジタルサイネージで来街者にイベント情報を提供することで、駅から街への人の流れや街の中での回遊を生み出すことを考えました。
AIカメラを装備したデジタルサイネージを用いることで、サイネージの閲覧率や見る年齢層、コンテンツの視聴数・視聴時間帯、人気のあるコンテンツ内容等、今後の展開に繋がる貴重なデータを取得することができました。
さらに、同時に行ったアンケート調査では、デジタルサイネージを見て子ども向けイベントを知ったお子さんがイベントに参加したという声もいただいており、回遊行動を生み出すことに一定の効果があったと考えています。
・技術と歴史文化の掛け合わせ
御神輿の勇壮な掛け声、祭囃子の笛や太鼓の音。これらが耳に届くと、誰もが心躍らせ、祭りの渦中へと足を運びたくなるものです。私たちは、この心躍る瞬間を視覚的にも伝え、より多くの方々と共有できないかと考えました。
そこで誕生したのが、「御神輿の位置情報と生中継映像を1セットとした情報配信システム」です。このシステムにより、お祭りの臨場感をリアルタイムで発信することが可能になりました。実際に運用してみると、従来の映像配信と比較して、閲覧数・閲覧率ともに大幅に向上し、予想を上回る反響をいただきました。
この成果は、お祭り、特に御神輿という重要な地域資源の新たな発信方法を切り拓いたと自負しております。日本には多種多様なお祭りが存在します。私たちは、この多様性を尊重し、画一的なアプローチではなく、各お祭りの特性や地域の個性に合わせたカスタマイズ可能な情報発信のプラットフォームを提供していきたいと考えています。
テクノロジーの力で伝統文化の魅力を増幅し、より多くの人々に届ける。これが私たちの目指す、文化とテクノロジーの共生の形です。今後も、日本の祭り文化の素晴らしさを世界に発信し、地域の活性化に貢献してまいります。
今後の取り組み
本実証実験で検証されたデジタルサイネージと連携したDIIIGのデジタルマップ「GPSトラッカー」機能をはじめ、デジタルマップ上のリアルタイムでの情報発信は、今後さらに多様な情報提供や観光体験の提供において広く応用が期待されます。
DIIIGのデジタルマップの法人プランにて提供しておりますので、詳細や導入のご相談につきましては下記よりお問い合わせください。
DIIIGのデジタルマップ お問い合わせ
本実証実験における主なDIIIGサービス活用内容
・企画
・デジタルマップ作成
・入力代行
・GPS機能連携
・動画作成
・デジタルサイネージ連携
・Webサイト作成
・Webアンケート実施
・データ分析
利用デジタルサイネージ(エッジAIカメラ)
・OTOMO/OTOMO専用サイネージソフトウェア(ファンテック株式会社製)
◼︎ 株式会社DIIIGについて
株式会社DIIIGは、ロケーションテクノロジーを活用した革新的な観光ソリューションを提供しています。デジタルマップやミッションアプリを軸に、様々なソリューションと連携し、地域の魅力を発掘・発信します。これにより、外出人口の増加を図りながら、観光客の満足度向上と地域経済の活性化を実現します。
※記載されている内容は、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
※画面は開発段階のものになります。今後のバーションアップなどにより、配信中の一部デザインや仕様が変更している場合があります
◼︎ 企業概要
株式会社DIIIG
設立:2018年11月
代表者:代表取締役社長CEO 秋國寛
所在地:〒650-0021兵庫県神戸市中央区三宮町1-6-18 7F(株)ワイズエッグ内
コーポレートサイト:https://company.diiig.net
サービスサイト :https://map.diiig.net
【DIIIG(ディグ)の名前の由来】
・[英]dig:掘り起こす、発見する、探求する、調べ出す