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北九州市、本気のスタートアップ支援 ものづくりの力で世界に挑む

令和5年度北九州市スタートアップ支援5事業(SEP-K)合同イベントレポート

提供: 北九州市

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北九州市内のものづくり企業との共創を促進する「MIT-K」

「Maker’s Open Innovation Trial(MIT-K)」は、ものづくり産業が盛んな北九州市の特色を生かしたプログラムだ。ものづくりのノウハウを有する市内企業(共創企業)と、アイデアを有する全国のスタートアップや学生との連携を通じ、イノベーションを創出することを目指している。

 具体的には共創企業が、ハードウェアの試作品製作を、資金やノウハウ、技術などの面から支援する。ここからは、ピッチに登壇した4者(社)の事業アイデアを紹介したい。 セキュリティダストボックス「Walkly」を提案

大分県立情報科学高等学校 小松杏氏

 まちなかのごみ箱は、危険物や家庭ごみが捨てられたり、猫やカラスなどに荒らされたりする問題がある。小松氏はこれらの課題を解決するため、外出時に出たごみを安全に捨てられるセキュリティダストボックス「Walkly」を考案した。

 ごみ箱にAI搭載の小型カメラを設置し、誰が何を捨てたのかを監視することで、危険物や家庭ごみが捨てられるリスクを下げるアイデアだ。今後、ドーワテクノスと連携し、最適なごみの回収方法や頻度を検証。ごみを持ち歩く必要のない、ストレスフリーなまちづくりを目指す。

トラック運転手の居眠り運転を防止するチャットボット開発

九州工業大学情報工学部 白土拓実氏

 白土氏は、トラック運転手の居眠りを防止するチャットボットの開発を目指す。令和3年度の調査では、トラック運転手の47%が6時間以下の睡眠しか取れていないことが明らかになっているという。また、居眠り運転に関する交通事故統計データの分析によると、睡眠時間が6時間の運転手は、睡眠時間が7時間の運転手に比べ、事故を起こすリスクが1.3倍高まるそうだ。

 白土氏が構想するチャットボットは、AIを活用した無料の対話機能を搭載することで、ドライバーの興味を引く会話を実現し、睡魔に襲われることを回避するものだ。今後、北九州市を拠点にECや卸売事業などを展開するREIZと協業し、他のAI通話アプリとの差別化を模索していく。

センサーを活用した「よろずセンサープラットフォーム」を提供

株式会社J-mind 代表取締役 上野淳氏

 J-mindは、システムコーディネーターやIT技術コンサルタントとして、ITを活用したい企業の新規事業の企画やPoC(実証実験)、事業展開などを支援している。これまで、水田センサーやスマートベッドなどの開発に携わってきた。

 今回は電源のない絶景地や被災地などでも給電可能な、トレーラーハウス用の「自立型電源システム」と「環境リモートモニタリングシステム」を提案。今後、公益財団法人北九州産業学術推進機構(FAIS)と共創しながら半導体を活用し、エレクトロニクス分野の新アプリケーションを創出していくという。

折り工学を活用したプロダクトデザインや研究開発

株式会社OUTSENSE 代表取締役 高橋鷹山氏

 OUTSENSEは、2018年に設立し、折り工学を使ったプロダクトデザインや研究開発を行っているスタートアップだ。折り工学を活用した技術として、平面で加工したものを立体に落としこむことが可能だ。これまでは宇宙に持っていくものをコンパクトに輸送する研究をしてきた。

 今回は折り紙の文化を工学分野に応用した「折り工学」のノウハウを浄水器や散水ホースの設計に生かし、ホース内の流量を柔軟に調整可能にする技術を、北九州市で国内トップシェアの散水用品の製造、販売を手掛けるタカギと共同開発していく。

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