◆ハンドル周りのスイッチ類は慣れが必要
メーターパネルは小さく、表示も小さいことから、ちょっと老眼には辛い……。ハンドルはD型で、丸いエアコン送風口と相まって、ちょっぴりスポーティームード。ステアリングリモコンは右手側にマルチメディア系、左手側がクルーズコントロール系と輸入車ではよく見る配置。ですがウインカーは右手でワイパーが左とJIS規格に準拠。なかなかに複雑です。
ちなみに、エアコンはかなり強力で、フルパワーにすると真夏でもあっという間に車内は北極圏へ。夏でも上着が欲しくなるのは中華系のおもてなしの心と聞いたことがあるのですが、それはクルマでも同じなのかもしれません。
内装面におけるベースモデルとロングレンジの違いは、ワイヤレス充電のQiやサングラスホルダー、そして天面グラスルーフの有無といったところ。USBはType-AとType-Cの両方を用意。驚いたことに、USB Type-CはPD60W出力に対応しており、ノートパソコンの充電もしっかりできます。
センターコンソールは2階建てで、下段に小物を入れることはできます。が、ちょっと入れづらいかも。スマホトレイにはフタがあり、その下には小物入れがありました。
後席は全長が長いこともあって、国産Bセグメントよりも広い印象。さらに人や動物を載せたままロックをすると、外部に警報音を発報するだけでなく、エアコンをオンにする機能がついているとのこと。クラクションを鳴らせるクルマは見たことがありますが、エアコンまで動かすのは筆者的には初めて。そんな幼児置き去り検知システムを搭載するあたり、BYDはこのクルマを求めるユーザー層をしっかり把握しているように思います。
日本代理店の広報担当者にターゲットユーザーを聞くと「色々な人に電動車をお求めやすい価格でお届けできれば」とお話をされましたが、設計者は子持ちの若い家庭に、比較的低価格で使い勝手のよいクルマを提供したい、という意思もあるのでしょう。
荷室も、このサイズとしては広々の345L。もちろん後席の背もたれを倒してのフラット化にも対応し、その場合は1310Lにまで拡大します。荷室のフロアーボードの下にも収納スペースが用意されています。
充電ポートを開けると、ACとCHAdeMOの2種類が用意されています。もちろんクルマに蓄えられている電力を専用の機器に介せば、家の電気にも使えるV2Hにも対応しています。さらに、BYDからは簡単にクルマの電力で家電を動かすためのV2Lアダプター(AC100V、1500W)もオプションで用意。しかも値段は4万4000円。これはマストバイのアイテムといえるでしょう。

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