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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第401回

BYDのEV第2弾「ドルフィン」は回生ブレーキが優秀でホットハッチの走りが楽しめる

2024年01月08日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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BYD

BYD/ドルフィン(写真はベースモデル・363万円)

 韓国・ヒョンデに続き2023年1月、中国の電気自動車メーカー「BYD」が日本上陸を果たしました。第1弾のSUV「ATTO3」に続き、早くも第2弾の「ドルフィン」が登場。果たしてイルカのように、日本で跳ねる車種になるでしょうか?

EVだけでなくバッテリーも世界シェアトップクラスのBYD

 「Build Your Dream」の略であるBYDは、1995年に中国・深センでバッテリーメーカーとして誕生しました。2000年代初頭に大手携帯電話メーカーのバッテリーに採用されたことを契機に業績を伸ばし、現在はリチウムイオン電池の製造で世界第3位。世界にある携帯電話の10台に2台の割合でBYDのITエレクトロニクス技術が使われているのだそうです。

 2003年、中国国営自動車メーカーを買収したことをきっかけに自動車事業に参入。2008年にPHEV車、2009年にBEV車、2010年にEVバスをラインオフ。2022年には約180万台の電気自動車を生産し、世界一の電気自動車メーカーへと成長しました。

 BYDの強みは言うまでもなくバッテリー技術でしょう。同社が採用する「リン酸鉄リチウムイオン電池」では希少金属を使用していないため、コストが抑えられているのがポイント。また、一般的にバッテリーはモジュール化してパックに詰め込むですが、BYDはモジュール構造を排除。刃(ブレード)のような薄型のバッテリーセルを直接パックに組み込むセルトゥパックという方法を用いています。

 これによりスペースの有効活用とエネルギー密度の向上、部品点数の削減によるコストカットを実現したのだそう。となると安全性はどうなの? と思いますが、「釘を刺しても熱暴走が起きない」という堅牢さと、8年15万kmという保証を付帯するなど自信があるようです。

◆長距離を走れるロングレンジモデルも用意

BYD
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 ドルフィンは、同社がコンパクトEVと位置付けるモデル。大きさは全長4290×全幅1770×全高1550mmと、トヨタのヤリスや日産のノート、HondaのFITから少し全長を伸ばしたようなサイズ。とはいえ、日産リーフよりは全長が短いといったところ。いずれにせよ、日本の狭い道に適しているクルマです。さらに本国よりも全高を20mmダウンさせて、日本の機械式駐車場に合わせているという点も見逃せません。

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写真手前がベースモデル、写真奥がロングレンジ

 驚きは価格。44.9kWhのバッテリーを搭載して400kmの走行が可能なベースモデルは363万円、58.56kWhのバッテリーを搭載して476kmの走行が可能なロングレンジは407万円。同サイズの国産EVが500万円前後ですので、はるかにロープライス。さらに国から65万円の支給が受けられるほか、自治体によってはさらなる補助金が交付されるため、200万円台で普通車サイズのEVが手に入るというわけです。

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ベースモデルのパワートレイン

 ベースモデルとロングレンジモデルは、バッテリー容量だけでなく、モーター出力も異なります。その差は大きく、ベースモデルは70kW(95PS)、ロングレンジが150kW(204PS)と倍以上! さらにリアのサスペンション構造もベースモデルがトーションビーム、ロングレンジがマルチリンクと異なるとのこと。ボンネットを開けるとモーターなどが見えるのですが、かなり低い場所にマウントされていたのが印象的。ちなみに前輪駆動で、四駆モデルは用意されていません。

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ドルフィンのテールランプ。波を想起させるデザイン

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Cピラーにもデザインが施されている

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ロングレンジモデルのエクステリア。ボンネットからツートーンになっていることがわかる

 2021年8月に中国で発売開始したドルフィン。その名のとおり、随所に海やイルカを想起させる造形を採用。「オーシャンエステティックデザイン」と呼ぶそうで、今後日本導入が予定されている上位セダン「SEAL」にも採用されているとのこと。親しみやすさだけでなく、遊びゴコロも覚えます。ちなみにベースモデルとロングレンジの違いは、モノトーンかツートーンかで見分けられます。

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