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一期一会をイノベーション創出につなげる 現代のビジネス版「茶室」が堺市中百舌鳥にオープン

堺市中百舌鳥エリア イノベーション交流・共創拠点「Community room cha-shitsu(略称:茶室)」オープニングセレモニー

特集
堺市・中百舌鳥の社会課題解決型イノベーション

提供: NAKAMOZUイノベーションコア創出コンソーシアム、堺市

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リアルの「茶室」とオンラインとの相乗効果で堺をさらに盛り上げたい ――S-Cubeにおけるオンラインコミュニティ醸成の取り組み

 人と人がリアルに出会う機会を創出する「茶室」とあわせて、堺市のオンラインコミュニティ醸成の取り組みにも注目したい。

 堺市産業振興局ではS-Cubeで創出された交流の機会をオンライン上でさらに発展させる活動をしてきた。そこではどのような取り組みがあったのか。「茶室」が完成し、リアルとオンラインの双方でコミュニティが形成され、相乗効果が期待できる。ここではオンラインコミュニティ運営を担当する堺市産業振興局中百舌鳥イノベーション創出拠点担当主査の堀尾篤志氏と、運営を支援する株式会社テイラーワークスの三須あかり氏に話を伺った。

――オンラインの活用はどのようなきっかけでいつから始まったのでしょうか。

堀尾氏:以前からの行政の課題として、事業が年度単位であるため、せっかく開催したリアルイベントなどでできたつながりや交流を、年度を超えて継続させていくのが難しいということがありました。そうした中でコロナ禍となり、リアルイベントすらも開催できなくなりました。その一方で、コロナ禍を通じてオンラインの利用が当たり前になり、堺市や大阪市といった地元だけでなく、東京や各地などの遠方とも簡単につながることができるようになりました。そこで、2022年11月からテイラーワークスさんにも協力いただき、オンラインコミュニティをスタートしました。

堺市産業振興局 産業戦略課 イノベーション投資促進室
中百舌鳥イノベーション創出拠点担当 主査 堀尾 篤志氏

――具体的にどのような活動を行っているのでしょうか。

堀尾氏:基本はコミュニティアプリ「Tailor Works」の機能を使って、参加者同士がトークルームでビジネスに関する対話や相談をしたり、堺市からの情報発信として「SNIBマガジン」を毎週発信して事業に役立つ情報や共創・協業事例などをお届けしたりしています。

 メインの活動といえるのが毎月第3木曜日の午後6時からZoomで開催している、共創を呼ぶ定期交流イベント「コネクト・タイム」です。「堺・中百⾆⿃イノベーションBASE」に参加する方の中から毎回1名ゲストを迎えていろいろなお話していただいています。

――オンラインコミュニティの運営で工夫しているポイントなどがあれば教えてください。

三須氏:テイラーワークスではハードの面だけでなくコミュニティが上手くいくよう伴走支援をさせていただいています。一番重要なのが、参加者の方が「最初にコミュニティに入った時」です。はじめて参加する方が、ただ受け身で参加するだけで終わらないよう、マッチング事例やイノベーション事例につながるコンサルティングもしています。メンバーとして定着するようなアプローチの一つが毎月の恒例イベントになっている「コネクト・タイム」で、コミュニティにどんな人がいるかをまず知ってもらうことを目的にしています。

株式会社テイラーワークス プラットフォーム事業部コミュニティプロデュースチーム 三須あかり氏

堀尾氏:運営する私たちとしては、コミュニティに入っていただいたからには、ここでしか得られない情報や価値を提供していきたいと考えています。またそれだけでなく、参加する方ご自身も情報を発信する側にもなってもらい、コミュニティの内部でみなさん互いにつながりあう可能性を感じられる場所にしたいと思っています。

三須氏:もう一つのポイントが運営のスタイルです。「自治体が主催」というと、しっかりと詳細に準備してきっちりと開催しなければならないと思いがちですが、もちろんそれはとても大事なのですが、一方で、ちょっとした「ゆるさ」もある方が参加者の心をつかめたりします。イベントの規模も数十人という大きな集まりよりも、「5〜6人でおしゃべりしましょう」という感覚のほうがオンラインイベント初心者には参加しやすかったりします。

堀尾氏:「スピード感」も重要だと実感しています。以前、オフラインイベントで、「引き続きの交流をオンラインでやろう」と盛り上がったことがありました。そのとき、参加者の方々には交流用トークルームの準備を整えてから「詳細は追ってお知らせしよう」と思ったら、三須さんに「すぐに準備してこの場でアナウンスしましょう」と言われ、あわてて作業したこともありました。

三須氏:リアルとオンラインをつなぐときは、参加者の関心やモチベーションを落とさないように「なるべく時間を空けない」ということがポイントのひとつです。参加メンバーたちの意識を保つのはとても大事でしたので、堀尾様にその場でお話したところすぐに対応してくださいました。

――今後の展望についてお聞かせください。

堀尾氏:新設された交流拠点「茶室」を生かしてリアルのイベントやセミナーを開催しながら、同時にオンラインで配信するといったこともできますし、オンラインのオフ会を「茶室」で開催するなど、いろいろな可能性が広がりました。

 距離や時間に関係なくつながることのできるオンラインと、この場に来てこそ体感できる「茶室」でのリアルなコミュニケーション――これら双方の特徴を生かして、リアルとオンラインをより良く連携しながら運営し、堺市におけるイノベーション創出の“場”さらに盛り上げていきたいと思います。

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