◆走行モードは4種類で、走るシーンに合わせてチョイスできる
走行モードは、エコ、コンフォート、スポーツと多彩。スポーツには更にスポーツプラスが用意されています。ダンパーやステアリング、エンジン、トランスミッションと調整項目が多く、よい意味でマニア心をくすぐります。このあたりがBMWらしいところ。
とはいえ、まずはコンフォートから走行開始。「やっぱりZ4はイイな! めちゃくちゃ楽しい」と満面の笑顔の唯さん。「クルマは楽しくなくちゃ! オープンカーは楽しくていいですよね」と街を駆けぬけます。コンフォートモードの乗り味は、段差などでは結構上下運動しますが、突き上げ感が柔らかく、ズバリ乗用車そのものといったところ。
スポーツにすると足は引き締まり、スポーツプラスにすると、さらに引き締まる上に、シフトダウン時にブパバババン! とアンチラグ音を響かせます。「この演出、イイ感じ! 運転がうまくなったみたい(笑)」と、気持ちを昂らせている様子。「走っている時の排気音がイイですね。耳障りではなく、車内の会話も問題ありません。それでいながらしっかり主張する上品な低音がオトナって感じがします」とのこと。
この排気音やアンチラグ音ですが、なんとなくスピーカーからの演出音のような気も。というのも外で聞く音と室内音がまったく異なるから。
「クルマは大きいんですけれど、運転しはじめるとあまり大きさは感じないですね。気になったのは、ブレーキペダルとアクセルペダルの前後関係で、アクセルが思ったより奥にあって最初は戸惑いました。あとブレーキのフィーリングも、結構初動の立ち上がりが鋭いので、滑らかに走らせるまで慣れが必要かな。気になったのはその程度です」とペダルまわりに違和感を覚えたようです。
さて、気になる直6エンジンとの差。「うーん、どうだったっけ? フフフッ」と笑ってごまかされてしまいました。ここで同行スタッフが違いをご紹介しましょう。
まず気づくのは動きがまったくことなるという点。直4モデルは明らかに軽快でコントローラブル。一言でいえば「シャーシが速いクルマ」といえます。BMWらしい大地に根を張ったような重厚なフィールは直6モデルの世界。言うまでもなくパワーで押し切っていくという走りで、その加速は怒涛という言葉が相応しいところ。
直6はシルキーで振動が直4より少ないと言われています。ですが、実のところ「言われてみたら直4の方が振動が多いかもしれない」という程度の差しか感じませんでした。直線基調の高速道路でのクルージングでの余裕度であったり、追い越し加速の力強さで「直6いいなぁ、快適だなぁ」とは思うのですが、別に直4は非力だとは思わなくて。むしろ首都高環状線では、逆に運動性能に勝る直4モデルの方が好ましいとも。
「BMWらしい重厚さを得るか、運転の楽しさを選ぶか」というのが、直6モデルと直4モデルでの難しい悩みというところ。筆者は軽快な直4モデルにファストトラックパッケージなどのオプションをつけたモデルを選びたい、と言いたいのですが、それでも後ろ髪をひかれる思いもあるのも事実。こういう悩みって、実は楽しかったりするんですよね。
「運転していて楽しくて、助手席に座っても快適なZ4。やっぱりいいなぁ」という唯さんの言葉に嘘偽りなし。「ボディーカラーもインテリアもホワイトのZ4、憧れます」と新たなる夢を抱いた唯さん。誕生から3年半が経ち、より魅力度を増したZ4、唯さんではありませんが、確かに今、イチバン欲しい1台です!
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