小売店舗のサポートに最適化したストアロボット「Armo」11月1日より先行予約開始
MUSEは11月1日より、同社ウェブサイトにて、ストアロボット「Armo(アルモ)」の先行予約を開始。製品の出荷開始は2024年内を予定し、先行予約者から順次先行検証プランを案内する。
「Armo」は小売店舗での利用に最適化された自律移動ロボット。店舗内の品出し作業の搬送などの自動化に貢献する。4月より大手食品スーパーマーケットチェーンのベルク 和光西大和店にて実証実験を重ね、実運用にむけた一定の成果を確認している。
小売店舗の環境、オペレーションに最適化された製品設計
これまで倉庫や工場の中ではAGVやAMR、飲食店では配膳ロボットといった各種搬送ロボットが普及してきた。しかし、スーパーマーケット、ホームセンター、ドラッグストアなどの小売店舗において日常的に稼働しているロボットはほとんどない。
その一方で、小売企業も深刻化する人手不足や人件費の高騰の影響は受けており、店舗内の品出し作業などを省人化したいというニーズは強い。それでもロボットを導入できない背景は、小売店舗固有の環境及びオペレーションに起因している。
具体的には、通路に買い物客が多く通行する、通路幅が狭い、店内にロボット誘導用のラインやマーカーの設置が困難、といった環境制約に対し、多様な重量や形状の商品を搬送し、複数の業務をするスタッフを柔軟にサポートしなければならないというオペレーションの両立が必要となるためからだ。
ロボットを活用できたとしても、買い物客のいない営業時間外など、限られた時間内では費用対効果を確保することが難しい。
同社は小売店舗のサポートに最適化したロボット・Armoを設計し、環境及びオペレーションの両面に配慮したソリューションを実現することを考えている。
品出し搬送の自動化によって1.5倍の作業生産性の改善
Armoを活用したオペレーションでは、店舗内の品出しなどの搬送作業を自動化。バックヤードでの商品の積み替え作業や店内での陳列作業をスタッフが専任化することにより、スタッフの習熟も早くなり生産性の向上も期待できる。
ベルクでの実証実験では、品出し作業の1.5倍程度の作業生産性の向上につながることが判明した。
今後の展開 -Armoのマルチユース機能の拡充-
ストアロボット・Armoの製品版は、2024年内に出荷を開始。予約者には、Armoを実際の店舗で利用可能な先行検証プラン(1ヵ月程度)を案内する。専用カートは2パターン(カット台車タイプ又はドーリータイプ)から選ぶか、好みの形状や仕様にカスタマイズすることも可能だ。
今後Armoは、売場画像の収集や買い物客の案内などのマルチユース機能を拡充する。店舗内のリアルタイムの売場画像を収集し、クラウドに蓄積することも可能になるという。これら機能を活用することで、商品の欠品率や欠品時間の測定、品出し作業との連携、棚割りのモニタリングなどを実現する。
撮影した売場画像をもとに、買い物客に対して商品棚の場所や画像を表示して、実際に売り場まで案内することにより、さらなる店舗体験価値の向上にも貢献する。
これらのマルチユース機能の拡充により、ロボットの導入効果を飛躍的に向上させることが可能となる。