『FF16』は1本の映画を観るような映像表現と重厚な物語、アクションが苦手な人でも爽快なバトルは秀逸!

2023年07月10日 13時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

写実的で落ち着いた雰囲気の映像美にも注目

 また、作戦の成功に沸く酒場では、蝋燭やランタンの火で仄暗い店内に、吟遊詩人のリュートと歌声が響き、その音をバックに主人公たちが話をしている、といったどこかの映画のワンシーンで見たことがあるような、にくい演出になっている。

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蝋燭の暖かい火の光りに照らされて親子が会話するシーンひとつを取っても、とても写実的で感慨深い

 昨今のFFシリーズは、最新の映像技術を使い、リアリティーの高い風景やキャラ表現で魅せる作品が多い。本作も自然でリアルな描写を可能とするHDRに対応。従来のモニタが表示できなかった非常に明るい映像も、白飛びせずに表示される。

 そうした最新の映像表現により、ド迫力な召喚獣の戦いなどは、目を見張るほどの美麗な映像で描かれ、息を飲んで没入する楽しさを与えてくれる。

『FF16』は1本の映画を観るような映像表現と重厚な物語、アクションが苦手な人でも爽快なバトルは秀逸!

召喚獣がバトルする際のエフェクトは、とてもド派手。HDR対応のディスプレーなどでは、とても実在感のある映像で楽しめるのでオススメだ

アクションが苦手でもカッコよく戦える機能も備え
映画の戦闘シーンのような迫力と爽快感が得られる!

 アクションRPGを銘打っているので、やはり戦闘の操作が気になるところ。本作では攻撃、魔法、フィートがボタンひとつで簡単に出せる。フィートとは、クライヴが使えるアクションで、召喚獣ごとに性能が異なる。フェニックスなら素早く敵に接近する「フェニックスシフト」になる。

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フェニックスシフトは空を飛ぶ敵との距離も詰められる。空を飛ぶ敵にも近接攻撃を簡単に当てられるので、とても便利だ

 ボタンの組み合わせでコンボが繋がり、割とガチャガチャとボタンを押しているだけで、カッコイイ演出で敵が倒せる。ただ、やはり強敵との戦いでは、回避ができないとかなり苦戦する。本作では回復アイテムの所持数に制限があり、制限数以上の回復アイテムを拾うと自動で使用する。そのため、RPGで良くある回復アイテムを大量に持って行くことができない。

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近接から魔法の順に4セット繰り返したり、近接攻撃4連撃の後に魔法を行なったりと、いろんなコンボもある。特定のスキルから繋げられるものもある。適当にボタンを押しているだけでも楽しいが、いろんなコンボを任意に使えるようになることで、戦闘の奥深さを得ることもできる

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アイテムの所持数は、ポーション4つ、ハイポーション3つなどと限られている(後にサブクエストによって増加する)。そのため、ミッション前に回復アイテムを大量に購入して備えるようなことはできない。しかし、中ボスなど強敵後には回復アイテムが割と落ちているので、難易度が高すぎるという訳でもない

 そのため、やはり強敵との連戦が続く場合などは、攻撃をなるべく受けないように回避する必要がある。これだけ聞くと、アクションゲームが苦手な人だと敬遠したくなるが、本作には自動で回避する《オートドッジ》や、攻撃を受けそうになると流れが遅くなる《オートスロー》、果ては攻撃も自動で行ってくれる《オートアタック》といった指輪がある。

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アクションが苦手だったり、本作の戦闘に不安を覚えた人は、《オートドッジ》の指輪などを装備しよう

 その指輪を装備していれば、アクションが苦手でも安心。オススメは《オートドッジ》で、自分で回避ボタンが押せなかった時でも、勝手に回避してくれる。もちろん、クライヴが回避できる状態にある場合に限られるので、闇雲に攻撃していて回避できるタイミングではないと回避できないので過信は禁物だが、回避行動が分からない敵の攻撃の時には行動を起こさなければ、確実に回避してくれるので安心だ。

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本作では敵の攻撃の直前に回避すると「ジャスト回避」になり、即座に反撃できる「プレシジョンドッジ」が発生する。これを繰り返すことで、効率良く敵にダメージを与えられる。《オートドッジ》では、なかなかジャスト回避にならないので、腕に覚えがある人は積極的にジャスト回避を狙っていこう

 本作には「ストーリーフォーカス」モード、「アクションフォーカス」モードと、2つのモードがあるが、ゲームプレイ前に「ストーリーフォーカス」にしていると、《オートドッジ》の指輪などを最初から装備している。「アクションフォーカス」モードでも、装備品としては持っているので、ちょっと戦闘がキツイと思った時には、戦闘中以外ならいつでも装備できるので安心だ。

 さらに、「ストーリーフォーカス」モードでは、「アクションフォーカス」モードよりも敵から受けるダメージが低かったり、敵のHPも低いので、アクションよりもストーリーを中心に楽しみたいという人は「ストーリーフォーカス」モードにしておくとイイだろう。

 本作では敵のHPの下に“ウィルゲージ”というものがあり、攻撃をすることで減らせる。ガルーダの「ガウジ」などウィルゲージの削りに有効なアビリティを使うと、より早く削れる。ウィルゲージを削り切ると、敵は“テイクダウン”状態になり、しばらく動けなくなったうえで、ダメージ倍率も上昇する。

 ヒット数を稼げるアビリティを叩き込むことで、テイクダウン中に大ダメージを出せるので、そうした方法を見つけるのも楽しい。

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テイクダウンが終了すると、テイクダウン中に与えたダメージの合計が表示される

 クライヴは物語が進むにつれて、複数の召喚獣アビリティが使えるようになる。召喚獣アビリティは装備したものだけが使えるので、自分の戦闘スタイルに合った召喚獣アビリティを装備しておこう。

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炎壁を作りつつ遠方に衝撃波を放つ「ヒートウェイヴ」は、敵からの魔法を消しながら使うと性能が強化される。このほかにもさまざまな召喚獣アビリティがある

トルガルや仲間がサポートしてくれる

 本作はアクションRPGのため、基本クライヴのみを操作する。幼少の頃より飼っていたトルガルは、合流した後に攻撃や回復(白ゲージのみ)をしてくれるが、これを任意で指示を出すことはできる。

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バディとしてクライヴに付き従ってくれるトルガル

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トルガルには攻撃、回復、突進の3つの指示を出せる

 また、物語の話の流れでいろいろな仲間がパーティメンバーとして一緒に戦ってくれる。仲間はAIによりオートでサポートしてくれる。

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たとえば、シヴァのドミナントであるジルは、強力な氷の魔法でサポートしてくれる

ド迫力な「召喚獣合戦」は見応え抜群!

 物語の進行に合わせて、ドミナントが召喚獣となり戦う大迫力の「召喚獣合戦」が起こることがある。召喚獣になると、必ず使えるスキルの説明が入り、さらにメニューではいつでも確認できる。巨大な召喚獣同士が激突するシーンは、荘厳な音楽をバックに迫力満点。

『FF16』は1本の映画を観るような映像表現と重厚な物語、アクションが苦手な人でも爽快なバトルは秀逸!
『FF16』は1本の映画を観るような映像表現と重厚な物語、アクションが苦手な人でも爽快なバトルは秀逸!

「召喚獣合戦」では、強大な力を持つ召喚獣同士が殴り合ったりする、迫力のバトルが楽しめる。召喚獣を操作するだけでも楽しいが、残念ながら任意で召喚獣になれる訳ではなく、物語の特定のシーンでしか発生しない

 加えて、ボス戦が盛り上がってくると回避を促したり、攻撃を促すQTE(Quick time event)が発生する。時間内にR1、□を推すと敵からの特殊な攻撃を回避したり、カッコイイカットシーンによる攻撃が決まる。

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モルボルに引き込まれそうになる攻撃もQTEで華麗に回避できる

『FF16』は1本の映画を観るような映像表現と重厚な物語、アクションが苦手な人でも爽快なバトルは秀逸!

QTEは敵を追い詰めると発生することが多い。カットシーンにより、見応えのある攻撃が発生する

 こうした演出も映画のような観て楽しむ本作の魅力を引き上げている。

ゲームが苦手な人でも楽しめるアクションRPG

 本作はPS5の性能をフルに活かした映像美と壮大な物語のスケールで描かれた、超大作映画のような作品だ。人は十人十色なので、そもそもゲームに物語性を求めていない人には向いていない。

 しかしながら、ゲーム操作が苦手なので、ゲームを敬遠していた人は全く問題ない丁寧なチュートリアルに、救済処置もあり、映像を見てや評判を聞いて気になるが、操作が不安だ、と思って未プレイな人でも楽しく遊べる、という点は間違いない。

 ボリューム的にはサブクエストや寄り道をしなければ30~40時間ほどで、広大なマップの隅々まで探索する必要があるオープンワールドのゲームなどを敬遠したい仕事の忙しい社会人でも、休みの日にゆっくり楽しむのにオススメだ。本作の物語が気になっている人は、プレイしてみてはどうだろうか。

【ゲーム情報】

『FF16』は1本の映画を観るような映像表現と重厚な物語、アクションが苦手な人でも爽快なバトルは秀逸!

タイトル:FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)
ジャンル:アクションRPG
販売:スクウェア・エニックス
プラットフォーム:PlayStation 5
発売日:発売中(2023年6月22日)
価格:
 通常版:9900円(パッケージ・ダウンロード)
 デジタルデラックスエディション:1万2100円(ダウンロード)
プレイ人数:1人
CERO:D(17歳以上対象)

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