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現代劇+『ザナドゥ』の融合から生まれた日本ファルコムの挑戦作

アオハルな気持ちがよみがえる!?Switch版『東亰ザナドゥ eX+』は若い人もかつて若かった人も遊んでほしい快作

2023年07月17日 13時00分更新

文● ミヤザキ/ASCII

東亰ザナドゥ eX+ for Nintendo Switch

 日本ファルコムが2023年6月29日にNintendo Switch向けに発売した都市型神話アクションRPG『東亰ザナドゥ eX+ for Nintendo Switch』。本作は2015年に日本ファルコムが初めて現代を舞台にした作品としてPlayStation Vita向けに発売した『東亰ザナドゥ』に、ストーリーやクエスト、より遊びやすくなる機能などを追加して2016年にPS4向けに発売した『eX+』のNintendo Switch移植作。

 もともと携帯機で発売されたタイトルだけに、据え置き機としても携帯機としても遊べるNintendo Switchとの相性は抜群! しかも遊び込める要素も盛りだくさんで、まさに大型連休に遊ぶのにも最適なタイトルとなっている。ここでは、本作を遊んだことのない人向けに、その魅力をお届けしていこう。

「東亰ザナドゥeX+ for Nintendo Switch」デモムービー

『ザナドゥ』との関係は?

 アスキー読者の中には『ザナドゥ』という名前を聞いて懐かしい! と思った人もいるだろう。『ザナドゥ』は1985年に日本ファルコムがPC向けに発売したアクションRPG。まだカオスだった時代のPC市場で、40万本のヒットを飛ばした化け物タイトルだ。

 本作はタイトルに「ザナドゥ」と付いているものの、ダンジョンを探索するという部分以外はまったくシステムが異なっている。もとの『ザナドゥ』を挫折してしまった人、また、そもそも『ザナドゥ』を知らない人でも安心して楽しめる。

PC-88版の『ザナドゥ』。アクションRPGながら、パズル的な要素もあり、難易度はかなり高い

その日、“日常”に穴が空いた――
現実世界と《異界》、2つの世界で展開する物語

 本作の物語は、ひょんなことからグリードと呼ばれる怪異の存在する異空間《異界》にまつわる事件に関わることになった主人公の男子高校生・時坂洸(ときさかこう)と仲間たちの活躍を描いている。

 ゲームは複数の話で1つの大きな物語を描く形式となっており、ひとつの話の中で現実世界を探索して事件に迫るアドベンチャーパート→異界で怪異と戦うバトル(アクション)パート→事件解決となるボス戦という流れで進んでいく。

物語の序盤は、異界にまつわる事件とともに仲間が徐々に集まっていく様子を描く

各話の最初にはオープニングが流れる。アニメを意識した作りになっている

 アドベンチャーパートでは物語の舞台となる杜宮市の各所を探索して、グリードにまつわる事件の調査をしていく。

 仲間や学校関係者、そして町の住人たちとの交流をはじめ、ソウルデヴァイスと呼ばれる武器の強化や装具/アイテムの購入なども基本的にはここで行なう。

メインシナリオが進む場所には赤い“!”が付く。エリアの移動マップでは誰がどこにいるのかも表示されて、非常にわかりやすい

物語が大きく動くときはメッセージや警告文が表示されるという親切設計

 物語のテイストはジュブナイルもので、事件の起こる中で主人公の洸の成長を描きつつ、友情や葛藤、仲間たちとの絆などが語られる。ちょっと恥ずかしいセリフが飛び出したりもして、大人になった人はどこか懐かしく、リアルで若い人は主人公たちに共感できたり、ライトノベルを読んだりするような気分で楽しめるだろう。

 個人的な印象だが、登場キャラクターはみな個性的だけれども、一部のゲームやラノベに見られるような行き過ぎた個性ではないので、ちょうどいい塩梅に感じた。プレイしたら、登場人物みんなが好きになれるのではないかと思う。

幼なじみの女の子が朝起こしに来てくれたり、ひと昔前なら「爆発しろ」と言われるような状況にある主人公の洸

登場人物の中で筆者のお気に入りは、郁島空(いくしまそら)ちゃん。性格もいいし、声もいいし(CVは加隈亜衣さん)、最高です

 メインシナリオ以外にも、町の住人らから依頼をされるクエストや、仲間同士の好感度を上げられる絆イベントなど、ストーリーをより深く楽しめる要素も用意。

 クエストでは報酬がもらえるうえに依頼者の人物像が深掘りされたり、絆イベントではその名の通り、仲間同士の絆が深まっていくのが感じられたり……。本作の世界にどっぷりと浸れる要素があるのもポイント高し。

 それ以外の個人的な推しポイントは、ストーリーの進行にあわせて町の人々の会話が細かく変化していくこと。この会話の変化のおかげで、人々の生活がより身近に感じられる。「RPGはNPCとの会話も大切」と思ってる人はとくに注目してほしい。

クエストはNiARという端末で確認可能。アクセサリや強化素材、お金をもらえたりするので、味方の強化に役立つ。マップ上では緑の!マークで位置を表示

絆イベントは縁(えにし)の欠片の個数分だけ見ることできる。サブイベントをクリアすることで縁の欠片の数は増えることがある。1周目で全員分を見ることはできないので、まずは好きなキャラクターのものを重点的に見るようにしよう

 なお、本作では各話の間にサイドストーリーが挿入される。ここでは本編の裏で起こっているもう1つの事件が描かれる。

 これは『eX+』から追加された要素で、本編ではまだ登場していないキャラクターを操作することになったり、ダンジョンでは強力なグリードが出現したりする。

1話終了後のサイドストーリーでは、白装束の人物を操作することに。本編のチュートリアルではまだ説明されていない操作ができたりするので、開始時に出るキャラクター説明をしっかり読もう

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