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ウミトロン、衛星データ活用で海藻など生育エリア推定マップ作成サービス開始

 ウミトロン株式会社は2023年4月20日、内閣府事業として行われた令和4年度「課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」において、衛星データを活用したブルーカーボン(海洋生態系に取り込まれた炭素)のポテンシャル評価事業実証を実施。自治体向けのサービス提供を開始した。

 2050年カーボンニュートラルの達成に向け、地方自治体におけるブルーカーボンの活用検討が進められている。一方で広大な海岸において、どこにブルーカーボンが藻場や海草として蓄積されているか、どこで新たな生育活動ができる可能性があるのか、全体像の把握は容易ではなかった。ダイバーなどを活用する現地調査は一部のエリアに限定され、時間やコスト面で沿岸域全体に広げることは難しく、自治体の計画策定に活用可能な情報が不足していた。

 このような背景の中、ウミトロンは内閣府の支援を受け、ENEOSホールディングス株式会社および熊本県上天草市と共同で、広域を安価に計測できる衛星リモートセンシングのデータを活用したブルーカーボンのポテンシャル評価サービスを開発した。

 このサービスでは、衛星データを活用して自治体沿岸の藻場、海草の生育エリアを推定。ブルーカーボンの蓄積量の推定と生育のポテンシャルマップを作成する。

 沿岸域で対象となる藻類や海草の生育が確認済みであるエリアの一部調査と、調査結果からAIによる条件学習を行う。学習させたAIを使って該当の自治体全域の衛星画像から対象の藻類や海草の生育場所、ブルーカーボン蓄積量を推定する。衛星データや水深データ、現地取得の補正データを活用し、生育活動が可能なポテンシャルの高いエリアをマッピングする。

 上天草市においてはアマモ場を対象とした調査により、自治体全域のアマモ場マップ、ブルーカーボン蓄積量推定、ポテンシャルマップの作成を実施した。今後の自治体の計画策定や、ブルーカーボンに関心の高い企業との官民連携加速に活用可能な地図情報を作成できたとしている。

 ウミトロンは、水産養殖にAIやIoT、衛星リモートセンシングなどの技術を活用し、持続可能な水産養殖の実現を図るベンチャー企業。養殖生産におけるエサやりの最適化や自動化、生産者の労働負荷の軽減、消費者が安心して食べられる魚の安定供給、海の環境を守る養殖について技術開発を行う。

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