メルマガはこちらから

PAGE
TOP

医療やバイオ、DXなど多彩な先進技術を有する大学発スタートアップの創出を目指す

TOHOKU STARTUP NIGHT 2023

1 2 3 4 5

「バイオものづくり時代を⽀える微⽣物探索ミリオンスクリーニング・サービス」長岡技術科学大学 小笠原渉氏

ピッチをする長岡技術科学大学 小笠原渉 氏

 長岡技術科学大学の小笠原渉氏は100 万の微生物を活性、機能でスクリーニングする世界最高効率の「ミリオンスクリーニング」技術を用いて、企業のバイオ時代への展開をサポートする。

 小笠原氏は発酵の専門家であり、人類が培用できている微生物が0.02%しかない現状に課題を感じているという。ミリオンスクリーニングは100万検体を一気にスクリーニングする技術で、通常数億円のコストがかかる技術が1000円程度で利用可能になる。

 新潟の休耕田は全体の約4割に上るといい、小笠原氏は微生物を活用して休耕田から糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素を生産することを目指す。とくに酵母で作る油の自給率は5%を下回っているため、重要な栄養源の自給率向上にも寄与する。

 各社が独自にスクリーニングするのではなく装置やノウハウを1拠点に集約し、日本のバイオ産業、食品産業、化学産業へ提供することで、企業のバイオ時代への展開をサポートすることを目指す。

「食品利用のためのD-セリン生成酵素の実用化に向けて」宮城大学 金内誠氏

ピッチをする宮城大学 金内誠 氏

 宮城大学の金内誠氏は、乳酸菌の発酵技術を用いた希少アミノ酸の生産に関する研究をしている。腎機能障害や脳の認知機能障害は治療法が確立されてこなかったが、最近はD-セリンの傾向摂取により機能改善に至ると報告されている。しかし、D-セリンを含む食品や応用事例は存在しない。

 金内氏は高生産株として分離した細菌のD-セリン生産酵素(Dセリンラセマーゼ)を単離し、その酵素及び酵素の生産時にバイプロとして生産されるD-セリンを、腎機能障害や脳の認知機能障害予防用食品製造会社に販売配布することを目指している。

 金内氏はD-セリンを生産する乳酸菌を、迅速に検出する方法を開発した。これは大型機器を用いずに、200倍以上の効率で見つける方法であり、安価で安全な食品への利用可能なD-セリンを生産できる。今後は生産体制を整備し、2027年に市場へ本格参入することを目指す。

「高齢者を見守るための小型センサユニットの商品化」会津大学 趙強福氏

ピッチをする会津大学 趙強福 氏

 会津大学の趙強福氏はプライバシーに配慮して高齢者の見守りができる、小型センサユニットとデータ解析技術を開発している。高齢者を見守る現場では状況を正しく把握するため、さまざまなセンサーが使用されているが、プライバシーの保護にまで技術が至っていないという。

 趙強氏が開発するセンサユニットは3つの特徴がある。火災検知器と同じサイズであること、天井に設置すれば4×4平方メートルの部屋における位置情報が取得できること、さらに従来の1次元の強弱データと比較して、2次元のデータであるため情報量が多いことだ。

 今後はハードウェアとソフトウェアの両技術を介護施設に提供することを目指す。初期投資を抑えられるようリースや月額サブスプリクションサービスなどでの提供を検討中だ。趙氏は「これから行う実証実験に協力してくれる方や資金援助をしてくれる方は、ぜひ声を掛けてほしい」と述べた。

参考資料
スタートアップ・エコシステム形成支援 研究開発課題一覧

■関連サイト

「ASCII STARTUPウィークリーレビュー」配信のご案内

ASCII STARTUPでは、「ASCII STARTUPウィークリーレビュー」と題したメールマガジンにて、国内最先端のスタートアップ情報、イベントレポート、関連するエコシステム識者などの取材成果を毎週月曜に配信しています。興味がある方は、以下の登録フォームボタンをクリックいただき、メールアドレスの設定をお願いいたします。

1 2 3 4 5

合わせて読みたい編集者オススメ記事