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治療の不安を和らげるVRゴーグル、短期ゲノム編集、「WEB3×医薬品」アプリなど 独自のヘルスケア展示

JAPAN INNOVATION DAY 2023レポート

連載
JAPAN INNOVATION DAY 2023

 ASCII STARTUPは2023年3月3日、オールジャンルの展示交流カンファレンスイベント「JAPAN INNOVATION DAY 2023」を開催した。76の国内先進スタートアップがブースを出展し、展示やピッチ、トークセッションを実施した。本記事では「ヘルステック」のカテゴリーからピックアップして、当日の展示ブースの模様を紹介する。

催眠療法を再現するVRゴーグル「セラピアVR」を開発、株式会社xCure

「セラピアVR」を紹介する株式会社xCura 代表取締役 新嶋祐一朗氏

 株式会社xCUREは患者が治療中に装着することでペインコントロールを可能にするというVRゴーグル「セラピアVR」の展示を行っていた。

VRゴーグル「セラピアVR」

 開発者の新嶋祐一郎代表取締役は、催眠療法士でもある。呼吸の長さやタイミングをコントロールしたり、筋肉の緊張と弛緩を繰り返したりする催眠の技法を、映像やナレーションなどで再現し、VR技術に落とし込んだ。

 2022年12月の発売から歯科クリニックや脱毛サロン、老人ホームなどに導入され、診療科目や医療機関の大小にかかわらず、幅広く利用されている。現在、新嶋氏の一人体制であるため、今後は資金調達によるメンバーの拡充や医学的エビデンスの取得を目指す。

独自開発のゲノム編集プラットフォームで未来の作物をつくる、グランドグリーン株式会社

グランドグリーンの展示

 グランドグリーン株式会社は名古屋大学発のスタートアップだ。ブースでは独自に開発した、さまざまな作物品種に利用可能なゲノム編集プラットフォームを紹介していた。

 一般的に1つの品種を開発するのに10~20年ほどかかるとされているが、グランドグリーンのゲノム編集技術を使うことで1年ほどに短縮できる。10年以上かかるとなると、企業も取り組みにくいが、1~2年ならプロジェクトとして運用しやすい。

グランドグリーン株式会社 COO 諏佐啓太氏

 ビジネスモデルとしては共同研究のかたちで、事業会社とどのような品種を開発するのかをすり合わせたうえで、ゲノム編集を開始する。種苗会社や食品会社はもちろん、名物商品を開発したい自治体からの問い合わせも多いという。

「WEB3×医薬品」で薬の飲み忘れを防ぐ、株式会社HealthCareGate

 株式会社Health Care GateはNFTを活用して服薬記録トレーサビリティアプリ「DrugN」を紹介。2015年に実施された日本政府の調査によると、残薬に関する医薬品の総額は約3000億円にのぼるという。別の調査では、20代以上の全人口の82%が薬の飲み忘れを経験している結果も明らかとなった。

展示されていたアプリ「DrugN」のデモ

 残薬や薬の飲み忘れなどの課題解決を目指すのが、WEB3×医薬品をテーマにしたアプリ「DrugN」だ。服薬記録をアプリに入力すると、さまざまなインセンティブのあるトークンが発行される。

「DrugN」を利用することで、服薬者は単なる服薬に価値を見出せるようになる。また、薬局は服薬フォローアップの負担軽減や無駄な薬の削減、患者の重症化予防を期待できる。

HealthCareGateの展示ブースの様子

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