戦艦大和でジャンプ!観光名所のVR空間でラジオ体操できるアプリが優勝。広島・呉でPLATEAUハッカソンを開催
「PLATEAU Hack Challenge 2022 in 大和ミュージアム(呉)」レポート
この記事は、国土交通省が進める「まちづくりのデジタルトランスフォーメーション」についてのウェブサイト「Project PLATEAU by MLIT」に掲載されている記事の転載です。
国土交通省が主導する、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU(プラトー)」では、ライトニングトーク、ピッチイベント、ハッカソン、アプリコンテストなど、広く開発者やクリエイターに向けた企画を展開している。2022年11月5日・6日には、2022年度PLATEAUハッカソン第3弾として、広島県・呉市の大和ミュージアムを会場に「PLATEAU Hack Challenge 2022 in 大和ミュージアム」が開催された。各チームによる3D都市モデルを使ったハッカソンの模様をレポートする。
開発中のPLATEAU SDKが登場!
エンジニアコミュニティとのコラボを柱の1つとする「PLATEAU Hack Challenge 2022」の第1弾は東京で「ヒーローズ・リーグ」とのコラボにて開催。第2弾以降は全国の各都市を巡り、福岡に続く第3弾は広島・呉にて行なわれた。初日はアイデアピッチとチームビルディングを経てハックがスタート。エンジニアやプランナーなど19名の参加者が4チームに分かれ、2日目夕方には成果発表を実施した。
PLATEAUハッカソン初心者にとって、3D都市モデルの扱いはまだまだ難しいという声もある。そのような声に応えるように、開発の裾野を広げていくため、PLATEAUの3D都市モデルを扱いやすくするツールキット「PLATEAU SDK for Unity/Unreal」の開発が現在進められている。今回のハッカソンでは、そのα版が参加者限定で提供された。
メンターとして参加していた石井勇一氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社 Unityトレーニングセンター長)は、PLATEAU SDKを触ってみた感想として、「初めて触る人にいきなりCityGMLのデータをポンと渡して『これで作ってください』というのは、大変。手軽に触れるように、まず開発するための環境、ツール群を充実させることは重要です。私もPLATEAU SDKを使ってみましたが、非常に可能性を感じますね」と話す。
参加者からのフィードバックとしても「緯度経度と簡単に対応付けることができ、外部のARフレームワーク(ARCore Geospatial APIなど)との位置合わせが容易だった」など、PLATEAUの都市モデルデータが使いやすくなったことを評価していた。
PLATEAU SDK開発担当の株式会社シナスタジア CTOの崎山和正氏は、「今回、実際に使っていただき、簡単にPLATEAUの都市モデルデータを扱えるという評価が得られたことで、PLATEAU SDKの目的であるPLATEAUの3D都市モデルデータの利便性向上が達成できていると実感できました。一方で、バグやUIがわかりづらいといったネガティブなフィードバックもあり、今後の開発に活かしていこうと思います」とコメントしている。
今回、SDKとして提供されたのは、主にCityGMLをゲームエンジンにポリゴンメッシュとして取り込む機能やCityGMLの属性情報へのアクセス機能だが、今後はLODや属性情報など詳細な設定による都市モデルの抽出機能、2D地図を見ながらインポートできる範囲選択機能などが実装される予定だ。